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後悔しないためにここだけは押さえて! 実務経験証明書の書き方

この記事は約14分で読めます。
この記事はこんな悩みを解決します
  1. 実務経験証明書とはなに
  2. なぜ重要なのか
  3. 実務経験証明書の書き方を知りたい

この記事では、まず「実務経験証明書とはなにか」を説明し、その後「技術士試験に合格するために必要な実務経験証明書の書き方」を解説します。

この記事を読むと、実務経験証明書の書き方を具体的にイメージできるようになります。

実務経験証明書とは

二次試験の申込書類は受験申込書と実務経験証明書の2つ

二次試験の申込書類は「受験申込書」と「実務経験証明書」の2つがあります。
特に「実務経験証明書」は合否にかかわる重要な書類です。

受験申込書

受験申込書は記入要領を参考にして記載すれば特に問題はありません。

実務経験証明書

実務経験証明書は受験申込書と違い定型内容ではありません。
自身の経歴をどのように書くか、何の業務を詳細に書くか戦略的に考える必要があります。

実務経験証明書の重要性

実務経験証明書の役割は次の2点です。

  • 実務経験の受験資格を満たしているか
  • 口頭試験のベースとなる資料

それぞれ詳しく見てみましょう

実務経験の受験資格を満たしているか

技術士二次試験では受験資格として、4年もしくは7年以上の実務経験が求められます。

実務経験の内容は技術士の業務として認められるものでなければなりません。

技術士の業務とは
技術士は、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務を担います。

技術士法

実務経験証明書において実務経験の受験資格を満たしているかが確認されます。

口頭試験のベースとなる資料

実務経験証明書に記載した内容は口頭試験の質疑応答の主な材料になります

次項で詳しく説明しますが、

口頭試験では実務経験証明書で「複合的な問題を解決」した業務経験を説明したうえで、各コンピテンシーをアピールするための質疑応答を行うことが最善の戦略になります。

このために実務経験証明書は口頭試験を見越した戦略的内容で作りこむ必要があります。

少しめんどくさそうですができる限りかみ砕いて説明するのでご参考にしていただければと思います。

口頭試験との関連性

実務経験証明書は口頭試験の質疑応答の主な材料になります。

口頭試験に進むのは筆記試験の合格者です。

技術士に求められるコンピテンシーはすでに筆記試験で認められています。


そのうえで、口頭試験で確認されるのは、コンピテンシーを駆使して「複合的な問題を解決」できる実践能力です。

実践能力の有無は、実務経験から判断します。なので、実務経験証明書には「複合的な問題を解決」した業務を書く必要があります。

試験官は「複合的な問題を解決」した業務について書かれた書類を読んだうえで、気になることをマネジメントやリーダーシップ、倫理等のコンピテンシーを有しているか観点で質問します。

つまり、実務経験証明書に「複合的な問題を解決」した業務について書かれていないと・・・

試験官は20分程度の時間の中で、受験者による説明を聞いて複合的な問題を解決できる実務能力の有無をゼロから判断しなければならなくなります。

受験者の説明後に各コンピテンシーの質問をしないといけないので時間内でのコンピテンシーの確認が困難になります。

なので、実務経験証明書は口頭試験の質問を想定し作成する必要があります。

実務経験証明書で経験の観点から「複合的な問題を解決」できるコンピテンシーを持っていることを伝える必要がある
複合的な問題を解決

複合的な問題解決とは

なぜ重要なのか?

「複合的な問題解決」は次の資料にて重要であることが示されています。

  • 技術士試験の目的として明確に記載されている。
  • 技術士に求められる資質能力の序文でも明示されている。

技術士第二次試験の目的
複合的なエンジニアリング問題を技術的に解決することが求められる技術者が、問題の本質を明確にし、調査・分析することによってその解決策を導出し遂行できる能力を確認することを目的とする。

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)

具体的には?

複合的な問題解決とは具体的には何をさすのか?

技術士試験で確認されるコンピテンシーは、IEA-GA&PCを基本に作られています。

IEA-GA&PCでは、複合的な問題を次のように定義しています。(資料リンク

簡単に訳すと、以下のような特徴の少なくとも一つ以上を有する問題を「複合的な問題」としています。

  • 利害関係者の調整を要する問題
  • 解決策が複数ある問題
  • 新規性が高い問題(類似例がない、ルーチンワークでない、マニュアルが無い)
  • トレードオフ関係が生じる問題
  • 重大な欠陥・事故の起因となる問題
  • 組織・資源の適切な分配が必要な問題
  • 公衆、社会、環境への影響判断が必要な問題

口頭試験ではどんな質問がされるのか

質問例を確認しましょう。

  • あなたの経歴を業務の詳細とあわせて3分程度で説明して下さい
  • 技術士の受験の動機は何ですか?
  • 技術士を取得した場合、仕事に役立ちますか?
  • 経歴の上から〇つ目に関して、マネジメント面での工夫点を説明して下さい。
  • 経歴の上から〇つ目に関して、どこにポイントをおいてマネジメントを行いましたか?
  • 経歴の上から〇つ目に関して、外部とのマネジメント面を説明して下さい。
  • 技術士の定義を述べて下さい。
  • 現在担当している主業務はどのようなものですか?
  • 信用失墜行為の禁止とは具体的にどういうことか、例を挙げて説明してください。
  • CPDという言葉は知っていますか? 簡単に説明して下さい。
  • 技術士になればCPDは何時間くらいすればよいかわかりますか?

近年はマネジメントにかかわる質問が多いようですね。

これらの問題を想定して申込書を作成しましょう。

口頭試験の詳細はこちら

コンピテンシーの確認

口頭試験ではマネジメント、リーダーシップ等のコンピテンシーが評価されます。これらのコンピテンシーが評価されるの実務経験証明書の作成方法を確認しましょう。次項で再度詳しく解説します。

コンピテンシーの内容の確認はこちら

検討が必要な4つの項目

実務経験証明書の作成において、検討が必要な記載内容は4つあります。

ここの4つはしっかりと考えてから書きましょう

技術部門と選択科目

複数の科目にまたがっている方は今後必要になる科目を選択しましょう。

または、過去問を確認して回答を作りやすいほうを選択してください。

専門とする事項

「専門とする事項」は以下の点について注意が必要です。

  • 範囲の広い表現で書くと口頭試験での質問が想定しづらくなる。
  • 業務内容の詳細では専門とする事項を踏まえた内容にする必要がある。

専門とする事項に「機構設計」のように広い範囲を示す言葉で書くと、製造物・構造物すべての設計に対する質問が来る可能性があります。「流体機器の設計」や「産業機械」のように自分の得意な範囲を具体的に書くようにしましょう。

しかし、転職等により特定の範囲を専門とする事項にすると必要な経歴年数が足りなくなったり、書きたい業務内容の詳細とのずれが生じたりしてしまう場合は「設計工学」や「機構設計」等の広い範囲にします。

口頭試験での質問が想定しずらくはなりますが、実際の経歴と書類の内容にズレがないことの方が重要です。

大学院における研究履歴/勤務先における業務経歴

4年(もしくは7年)分の技術士の業務の経歴を書きます。

詳しくは次項

業務内容の詳細

業務経歴の中から必つ選択し小論文を作成します。

内容は「目的」、「立場と役割」、「技術的内容及び課題」、「技術的成果」の4項目についてです。

詳しくは次項

業務経歴の書き方

自信の経歴を棚卸し、その中から技術士の業務を抜き出しましょう。

記載すべき技術士の業務について

業務経歴に記載する業務について確認しましょう。

ポイントは二つ

  • 記載する業務は、技術士の業務であること
  • 試験官は、受験者が「複合的な問題を解決できる技術者」であることを知りたい

それぞれ詳しく確認しましょう。

技術士の業務

業務経歴に記載できる業務は技術士の業務です。

技術士の業務とは
技術士は、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務を担います。

技術士法

「技術士の業務」以外の業務は記載しても実務年数に加算されないので気を付けましょう。

必ず○○の設計、○○の評価といった書き方しましょう。

複合的な問題を解決した業務

務経験証明書には「複合的な問題を解決した業務」を記載する必要があります。

業務経歴の中の一つ以上は「技術士の業務」であり「複合的な問題を解決した業務」にします。

そして、業務内容の詳細で「技術士の業務」でありかつ「複合的な問題を解決した業務」について小論文をかきます。

複合的な問題解決の詳細のへ戻る

書き方

具体的かつ簡潔に書く

  • 各経歴はわかりやすく具体的に書きましょう。

経歴に情報不足があれば口頭試験での補足説明を求められます。

しかし、補足説明がコンピテンシー評価の加点対象になるかは不明です。時間の無駄になってしまうので、経歴は情報不足の無いように記載しましょう。

最悪の場合、補足説明の機会も無く経歴に不足ありの判断が下る場合もあり得ます。

  • 相反する内容で申し訳ありませんが、各経歴は簡潔に書く必要もあります。

試験官は大量の受験申込書に目を通します。

冗長的な文章を正しく読解してくれるかは不明です、技術士にふさわしい経歴をしっかり評価してもらうために読みやすい文章を書きましょう。
また、書いた本人はその分野の専門家ですが、試験官がその分野に不慣れの可能性もあります、あまりに専門的な言葉は避けましょう。

当たり前のことですが、これらができていない人が非常に多いです。必ず推敲と添削を行いましょう。

○○の計画/設計/研究/分析/試験/評価

何度もしつこくてすみません。

技術士の業務は「計画、研究、設計、分析、試験、評価及びそれらの指導」です。
これら以外はNGです。

成長ストーリー

業務経歴には業務を5つ書くように求めれます。

もちろん素晴らしい実績が5つあることがベストですがそんな人はほとんどいません。

なので、業務経歴は成長の過程を伝わるように書きましょう

技術士という称号は、いわば技術のプロフェッショナルである証です。しかし、最初からプロフェッショナルな人はいません。

業務経歴では「これだけの経験をしてきたので、今は技術士にふさわしい能力を有している。」ということが表現できていれば全く問題ありません。

最初の業務で培った専門技術を直近の業務で応用したという流れで記載できれば、成長や応用能力も伝わりベストかと(^^♪

例えば、若手技術者は、無理に高度な業務経験を書く必要はありません。

試験官も上司の下で業務を行っていたことは理解してくれます。口頭試験で自分の役割や責任範囲を説明できるようにしておくことが重要です。

また、経歴の長い技術者は管理職という立場の受験者も多いため、管理指導という業務が多くなります。

指導の業務ばかりだと部下を監視していただけという評価を受ける可能性があります。

計画・設計・評価・検討などの自らが主体的に行った業務と組み合わせて記載し、業務内容について自分の成果と部下の成果を区別して説明できるように準備しておきましょう。

受験する部門や選択科目に合う業務

受験する部門や選択科目に該当しない業務ばかりを経歴として記載してしまうと、審査員に「受験部門が違う」と判断されてしまう可能性があります。

部門違いと判断されると、せっかく筆記試験に合格したとしても口頭試験で落とされてしまうので気を付けてください。

技術士会が公開している「技術部門/選択科目の内容」を参考にしましょう

業務内容の詳細の書き方

業務内容の詳細は技術士第二次試験受験申込み案内によると次のように記載されています。

業務経歴の「詳細」欄に○を付したものについて、業務内容の詳細(「目的」、「立場と役割」、「技術的内容及び課題」、「技術的成果」など)を、受験申込書に記入した「専門とする事項」を踏まえ、720字以内(図表は不可。半角文字も1字とする。)で、簡潔にわかりやすく整理して枠内に記入する。

詳述する業務の選び方

詳述する業務の選び方は次の2点を満たす業務にしましょう。

  • 課題解決ストーリーのわかりやすさ
  • 複合的な問題の解決である

課題解決ストーリーのわかりやすさ

業務内容の詳細は、問題の解決ストーリーを容易に理解できるように書く必要があります。
試験官が理解できない場合は、口頭で説明させられますが、そこで挽回できないと、不合格になる可能性があります。

「技術的に困難な業務や一番苦労した業務」を選ぶ人もいますが、問題の解決が伝わらなければ、意味がないので注意が必要です。

複合的な問題の解決である

務内容の詳細は複合的な問題の解決を行った業務でないといけません
わかりやすいパターンの例として3つ挙げます。

  • 手法の問題点を改善して有効化した
  • マニュアルが無いので手法を合理的につくった
  • 要求を満たすためトレードオフを最適化した

試験官は、業務内容の詳細から複合的な問題の解決プロセスを読み取り、コンピテンシーをどのように発揮したかを確認します。

試験官に理解してもらえるように問題の解決手順を次のステップで整理し、各ステップごとのプロセスを書いていくことが効果的です。

  • 目標設定(要求事項と責任の明確化)
  • 現状把握(現状の調査やデータの収集)
  • 問題分析(現状分析と原因特定)
  • 課題設定(解決方針の設定)
  • 対策立案(比較検討し解決策の提案)
  • 実施結果(実施結果の成果)
  • 結果評価(効果の検証と改善策の提案)

このプロセスが伝われば、試験官は複合的な問題を解決した業務経験だと理解してくれます。

具体的な書き方

見出しは、受験申込み案内に従って「目的」、「立場と役割」、「技術的内容及び課題」、「技術的成果」の順で書きます。

内容は上記の複合的な問題の解決手順を踏まえて記載します。

実例

業務内容の詳細の実例

留意点

コンピテンシーを意識する

口頭試験におけるコンピテンシーの採点対象は次の6つです。

  1. コミュニケーション・リーダーシップ
  2. 評価・マネジメント
  3. 技術者倫理・自己研鑽

3つ目の「技術者倫理・自己研鑽」については、業務内容の詳細では書かず口頭試験単独で評価されます。

コミュニケーション・リーダーシップ、評価・マネジメントについては業務内容の詳細で意識する必要があります。

採点は関連性の高いものを組み合わせて行っています。

コミュニケーション・リーダーシップ

業務の実施に当たっては、関係者とのコミュニケーションによるリスク調整が必要です。

リスク調整には、リーダーシップが求められます。

業務内容の詳細では、協議・説明・調整・提案・了承などのコミュニケーションを表す言葉を用いて、どんな関係者と何をどのように調整したかを明確に書きましょう。

評価・マネジメント

問題解決に当たっては、時間・コスト・品質などの要求事項を踏まえて、成果を出せるように業務資源をマネジメントします。

マネジメントは、組織を管理運営する能力ではなく資源をどう分配するかです。

マネジメントには、各段階で評価をすることが必要になります。

業務内容の詳細では、「○○(資源)の制約がある状況で、〇〇が有効と判断して〇〇を提案した」、「業務の成果を〇〇と評価している・改善していく」等の表現を用いて、評価・マネジメントのコンピテンシーが伝わるように書きます。

直近の業務について書く

業務経歴が成長過程を踏まえて記載されているとしたら、直近の業務が最も高等の専門的応用能力を発揮した技術士らしい業務になっているはずです。

現在の能力を示すためにも、比較的新しい業務が望ましいです。

しかし、最近は監理業務が多い等の事情がある場合は最新の業務にする必要がはありません。

目安として留意しましょう。

添削を受ける

実務経験証明書を書いたら、必ず添削を受けましょう。

特に「業務経歴の詳細」は、解説したポイントを押さえながら720字にまとめるのはそれなりの難易度です。

自身での推敲だと業務に関する事前情報が頭の中にはあるため、理解できてしまいます。しかし、専門外の方が一読で理解するの困難なことがあります。

そのため、第三者からの添削は必須と考えることをお勧めします。

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