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技術士試験 論文例「Ⅱ-1疲労設計」

問題

令和4年 技術士二次試験 機械部門 選択2ー1より

論文例

S-N 曲線とは、材料の疲労破壊において、一定の振幅で繰り返し負荷される応力と破断までの負荷の繰り返し数の関係を示した曲線である。鋼材では10^6回付近で水平になりこの時の応力を疲労限度という。アルミニウム等の非鉄金属では明確な疲労限度はない。

疲労設計では、一般に疲労限度に耐用年数などを考慮した安全率を乗じて許容応力を決める。繰り返し負荷による応力が許容応力以下になるように設計する。

 設計時に考慮する点

切欠き係数:応力集中が生じる切欠き形状を有する構造部材は平滑な部材と比べ疲労限度が低下します。

表面粗さ係数:疲労破壊は多くの場合、部材表面から発生します。表面粗さが粗いと疲労強度は低下します。

残留応力:部材に引張りの残留応力が生じている場合は疲労限度が低下します。

平均応力:振幅負荷による応力の平均が引張りの場合疲労限度が低下します。

 疲労限度を向上させる方法

ショットピーニング:部材表面に塑性変形を生じさせて加工硬化と圧縮残留応力を付与する。

浸炭焼入れ:活性炭素を鋼材表面に固溶させマルテンサイト化することで表面硬化、圧縮残留応力を付与する。これにより摩耗性と耐疲労性が向上する。

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