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技術士試験 論文例「Ⅲサービス適応」

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問題

令和4年 技術士二次試験 機械部門 選択3(機械設計)より

論文例

  1. サービス適応のための製品の設計の課題

射出成形機のサービスとして、「定額制金型提供サービス」、「定額制メンテナンスサービス」を想定した際の課題を述べる。

1.1 安全設計に関する課題

 射出成形機の管理が簡易化することで業界参入障壁が下がると考える。射出成形機の取り扱い技術が低い人でも安全を確保するために安全設計の水準を従来よりも引き上げることが課題である。

1.2 IoTによるデータ収集分析に関する課題

 現状は、稼働情報や部品の劣化、損傷による不具合の情報は顧客からの問い合わせにより得ている。詳細でタイムリーな情報を機械本体から直接入手できるようにすることが課題である。これが解決することによりメンテナンスのアナウンスなどのフォローアップを適切に行える。また、属人的な技術である成形調整等をサポートするデータ提供などを行える。

1.3 金型設計に関する課題

 サービス化により金型受注の敷居が下がるため受注増加やメンテナンス頻度の増加が予想される。これらに対応した設計思想での金型設計が課題である。

2.最重要課題と解決策

 比較分析した結果、「1.3金型設計に関する課題」が製品のサービスに対応するために最も重要な課題である。以下に解決策を述べる。

2.1 モジュール化設計

 費用の分散と成形調整の容易化の効果で金型受注の敷居が下がる。多様な形状と受注増加による設計工数が増加する。対応としてモジュール化設計を活用する。コア部分は共通設計とし受注毎に変更する部分のみを設計することで設計工数の最小化を図る。例えば、金型受圧部は共通部分とし要求強度の大きさに合わせて数種類用意する。金型形状部はカスタマイズ部分とし受注毎の要求に合わせて都度設計する。

また、モジュール毎の分割構造にすることで損傷部分のみの交換等が可能になりメンテナンス性も向上する。

2.2 トポロジー最適化

 金型受注の増加とメンテナンスのための輸送頻度が増加する。対応として金型の軽量化のためトポロジー最適化手法を採用する。例えば、金型の受圧部分は中実であり重量が大きいがトポロジー最適化により使用負荷に対して最低限必要な形状をシミュレーションすることで軽量化形状を得られる。

2.3 付加製造

 モジュール化やトポロジー最適化の採用により現状の金型加工では対応が困難な複雑形状の加工が必要になる。対応として、付加製造を採用する。複雑形状の製造には、粉末床溶融結合やバインダ噴射法を採用することで3Dシミュレーションデータの形状をそのまま製造可能になる。金型の補修には、指向性エネルギー堆積法を採用することで必要箇所にのみ材料を追加して最小限の補修加工の実施が可能になる。

3.新たに生じるリスクと対策

3.1 信頼性

 新しい設計手法を採用するため信頼性のリスクが生じる。十分な評価期間を確保できれば信頼性評価を行う。

対応①)受注頻度が増加等を理由に十分な評価期間が確保できない場合は機能性評価を行う。金型の劣化などを想定した劣悪条件で評価を行い、短期間で機能の安定性を判断する。信頼性評価は必要に応じて後追いで実施し、結果を機能性評価及び設計の手法にフィードバックする。

対応②)モジュール化による分割構造や軽量化により特に強度特性に新規性が生じている。CAEでの繰り返し疲労解析を実施し必要強度が確保されているか検証する。

3.2 部品の管理

 流通する部品数の増加のため管理工数の増加が懸念される。対策としてPDM・PLMを活用した運用を行う。IoTを用いて各部品の品質状態や稼働状態をトレース可能にする。メンテナンス等で返却された部品がスムーズに次の顧客のもとにわたるように計画する。IoT情報から事前に必要な補修作業や組み換え作業を推定し作業日数と輸送日数を計画する。

論文骨子

論文作成検討に用いた骨子

論文評価

論文作成後、読み直した際の自己分析。
総評としては、解決策の内容で専門分野に関する記述がかけていると思う。ただし、最重要課題の選定理由が不明瞭なので言語化すべき。
また、設問3のリスクのところで回答が成立しているかが不安。

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