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機械設計技術者試験1級 論文例「設計ミス」

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問題

機械設計技術者試験1級 H28 H30 小論文より

設計ミスの防止策について
設計ミスは生産の源流のミスのため、調達や製造などの後工程で発生する無駄は甚大である。設計ミスの防止策についてあなたの部門が抱えている問題を挙げ改善策、改善案を述べよ

設計ミスをゼロにするための基本姿勢について
今日の設計業務は慢性工数不足、納期短縮化、投資効率低下という状況のもと、日程に追われ、完成度の低い図面を出図している。トラブルを起こすべく起こしているのが現状である。このような条件下にあって機械設計者としてあなたの職場の設計ミスゼロを目指した取り組みにたいして実践すべき方策について述べよ。

論文例

※若干の違いはあるが類似の問題なのでまとめた論文例を作成する

はじめに
近年、企業の品質問題が多く取り上げられている。原因は設計業務の工数不足や個人の技術力不足、組織や設計プロセスの不具合等さまざまである。それらの対応として品質を確保するための取り組みが様々行われるようになっている。一方で、製品ニーズの多様化や環境制約からの製品の複合度は高まり、要求精度は厳しくなっている。その中で企業は新たな技術の採用を強いられ開発、製造におけるマネジメントも複雑化している。このような状況の中では品質問題を起こす前にその兆候を取り除く「未然防止」のの取り組みが必要不可欠になっている。

FMEA(故障モード影響解析)の導入
FMEAは製品設計の信頼性(安全性)対策が万全かどうかを評価する手段です。そのために「部品やコンポーネントの故障モード」の概念を用いたボトムアップの解析を行います。その際に、市場で発生する問題に「気付く」ことが必要となりますが、設計者個人の持っている知識や経験には限界があるため、信頼性設計の漏れや欠落を 防ぐ目的でFMEAレビュー(DRBFM)を実施します。

DRBFMの方法
DRBFMとは、設計者が新規点・変更点に着目し、その中で心配点をしっかり洗い出して、対策を考えた上、設計部以外の部門担当者を含む有識者、専門家を交え、デザインレビューを実施します。 その時、他に心配点は無いか、多くの知見から、対策に漏れがないかどうかを検証し、未然防止を図る手法です。

FMEAは、すべての故障モードを列挙し、その発生原因を取り除く、または緩和する対策を講ずることを基本としています。しかし、すべての部品、コンポーネントの故障モードを列挙すること、そしてその原因と対策を網羅的にリストアップすることは実際の業務上は困難な作業です。例えば「錆の原因」は様々であり環境条件、使用条件によって無限に挙げることができます。この作業を一つ一つ設計者が検討し対策する事は不可能に近いことになります。

しかし、DRBFMでは、新規点・変更点における「故障モード」を意識した 「心配点」を抽出し、更にデザインレビュー実施により漏れを防ぐことに重点を置いています。つまり、故障モードを含む心配点のリストアップであって、故障モード単独 のリストアップではないということです。

懸念事項
FMEAの実務の実態として「過去の経験からの振り返りによる再発防止」にとどまってしまう場合が多い。これまでに起きていない事象も含めた「品質不具合の予測」を実施するために以下の点に十分注意する。

  • リスクの網羅性確保の視点…思い付きや過去の情報のみにとらわれずに製造工程や製品使用手順を展開しひとつずつリスク分析を行う
  • リスク要因の深堀レベル向上の視点…抽出したリスクを深堀し、そのリスクを引き起こすリスクについて抽出検討する。
  • 投資対効果最大化を狙った対策案検討の視点…すべてのリスクを網羅した後は影響度、発生頻度、検出性によって優先順位をつけてより有効な対策を展開する。
  • リスク対策に関する関連部門の効率的合意形成の視点…リスクにたいする対応は複数部門の領域にまたがることが普通である。効率的な合意形成のために活動推進開始時から関連部門にはチームとして参加してもらうことが好ましい。

終わりに
技術の高度化や統合化及び要求ニーズの多様化に伴い機械設計に求められるレベルもともに高度化と多様化が進んでいる。そのような状況のなかで高品質な製品開発を行うには効果的な手法を効率的な仕組みとして導入することが必要である。
DRBFMによって得られたノウハウは技術データとして活用され個人の技術力向上にも貢献できる。 また、個人の技術力向上と技術データの有効な利用により培われた基盤は技術革新を促すことになるので計画的に推進したい。

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