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機械設計技術者試験1級 論文例「設計知の融合」

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問題

機械設計技術者試験1級 H28 小論文より

最近のように新しい様々なニーズにこたえた製品をスピーディーに設計することが必要になると、既存の専門知識にとらわれず総合的に知識を活用しさまざまな視点を取り入れる設計を進めることが重要になる。このような設計環境にたいして設計知の融合に如何に取り組むべきか述べよ。

論文例

背景

近年は技術の高度化や統合化により機械設計者に求められる知識・技術範囲は広がっている、特にデジタル領域の活用については製品設計や設計プロセスにおいで検討必須の項目となっている。また、日本は気候変動などの地球規模の課題への対応や少子高齢化問題、都市の過密と地方の過疎などの多岐にわたる社会課題を抱えており機械設計者が設計時に考慮すべき領域は広がっている。

さらに、これまで製品や商品は「個人の幸せを保証するバロメータ」であり,幸福は製品や商品の物質面に由来したものであった.「持つ」ことが中心の社会はハード偏重の社会を生み,その結果,不必要なものまで生産し,必然的に顧客はそれを買わされる大量消費・大量廃棄社会となってしまった.その反省は「豊かさ」と「幸福」という議論を生み,今日の技術経営,環境経営に代表されるようにマネジメントの視点を,技術者視点から消費者視点へさらに消費意識の面では「持つ」ことから「使う」ことへ変化してきているこのことは,ものづくりが管理する対象が「物」から「プロセス」,「システム」,さらに「価値・ブランド」「サービス」へと変化し,社会環境がシーズ視点からニーズ視点へと推移してきたことからも明らかである。

前者のシーズ視点とは設計・開発主導のプロダクトアウトであり,そこでは再現性のある事象に関して自然科学による効率化,すなわち「機械化」によるコントロールが中心的課題であった.それに対して後者のニーズ視点とは顧客・社会主導のマーケットインであり,再現性のない事象に関して自然科学と社会科学の融合による価値創出が中心課題となっている。ともに,社会が解決しようとする課題のある「場」は,自然科学領域の形式知から暗黙知,埋没知を対象とする社会科学領域に移ってきた。

課題

このような背景の中で我々がかかえる問題点は、製品開発を行う中でこれら多岐にわたる状況に対してどのように貢献できるか、どのように影響するかについて気づくことができない点である。

この問題解決のために設定すべき課題は①教育システムの拡充、②組織構成員の多様性向上及び③ナレッジマネジメントである。

改善策

改善の方策としては、
①教育システムの拡充を行う。専門性については社内での講習やOJTを計画し、最新の研究内容や社内にノウハウがないものについては社外のセミナー等を使って幅広い知識・技術の習得を促せる教育システムを構築する。教育対象は公平かつ自主性を重んじたうえで経済効果的な人選を行う。
つぎに、
②組織構成員の多様性向上を図る。メタバースやAI領域などについては若年層のほうが抵抗ない反面、ハード系技術についてはシニア層の技術者が経験豊富であるなど、多様な構成員らで共創することによって多くの視点でものづくりを行い、あわせて技術革新を促す。
さらに、
③ナレッジマネジメントを行う。社外の教育を受けた設計者は内容を報告(発表)し知識を組織構成員で共有する。また共有データは必要に応じて閲覧利用できるようにする。

おわりに

ものづくりは「もの」をつくることから「こと」をつくることにかわり、製品の材料調達からサービスを経て廃棄までを設計し管理することを目指せるようになってきた。機械設計者はより多忙になると同時により世界に貢献できる時代であるともいえる。 たゆまぬ技術研さん行いより良いものづくりを実践していきたい。

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