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技術士試験 論文例「Ⅱ-1FMEAとFTA」

問題

H30 Ⅱー1

FMEAとFTAについて,それぞれの特徴を示し,その違いを比較せよ。また,機械設計に適用する際の留意点について説明せよ。

論文例

FMEAとFTAについて

1.FMEA(故障モード影響解析)

 システムやプロセスの構成要素に起こりうる故障モードを予測し、考えられる原因や影響を事前に解析・評価することで設計・計画上の問題点を摘出し、事前対策を実施しトラブルの未然防止を図る手法である。

留意点として、①網羅性を確保できる方法で行い漏れを防ぐこと。②全ての要素のすべての故障モードを抽出することは現実的ではないため設計変更点のみを対象にするなど実行可能な方法で行うこと。

2.FTA(故障の木解析)

信頼性や安全性の観点で発生が好ましくない事象を抽出する。そのトップ事象を引き起こす要因を展開し、因果関係を論理記号と事象記号を用いて樹形図に示す。対策を打つべき発生経路および発生要因、発生確率を解析する手法である。

留意点として、トップ事象「動かない」という現象でも、初期故障か経年劣化によるものかの前提条件が異なると最終的な基本事象が大きく異なるので、トップ事象の正確な情報が必要である。

FMEAは構成要素に着目し、全体への影響ならびに発生メカニズムを検討するボトムアップの解析である。   

一方、FTAは事故や故障などの起こしてはならない事象をトップ事象として捉え、その発生要因を展開してゆくトップダウンの解析である。

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