記事内に広告が含まれています。

技術士試験 論文例「Ⅱ‐2機能性評価」

この記事は約2分で読めます。

問題

令和4年 技術士二次試験 機械部門 選択2(機械設計)より

論文例

射出成形機の金型劣化による成形品質低下の削減

 具体例として、樹脂成形を行う射出成形機を挙げる。

射出成形機は用いる金型の状態劣化により成型品質の低下を引き起こすことがある。金型状態の変化に強い射出成形機の開発を行い成形品質の向上に取り組む。

1,調査・検討すべき事項

1,1影響因子

成形品質に影響を与える要因を抽出する。フィッシュボーン図等を用いて網羅的に抽出する。抽出した要因は設計や成形時の運用で管理可能であれば制御因子、管理が困難もしくはバラツキを許容すると決めたものは誤差因子とする。制御因子には構造体の寸法やヒーター温度などの成形条件があり、誤差因子には経年劣化や金型のオリゴマー付着等が挙げられる。

1,2機能定義

 成形品質の良/不良を判断するための指標を決める。

要求品質に対する本質的な機能でありできる限り直接的に測定可能なものを選択する。今回は「転写性」を機能として定義し、成型品の寸法および体積を測定し評価を行う。

2,業務を進める手順、留意点と工夫点

2,1機能性評価の実施

 抽出した因子で重要な因子に水準を設定し直交表に割り当てる。工夫として、使用環境の温度と湿度などについてそれぞれ良/悪条件がわかっている場合は一つの因子として扱う。直交表の条件で評価を実施する。

留意として、オリゴマーの有無等は一度除去してしまうと再度堆積するまでに時間がかかる等、不可逆な条件がある場合は実験の順番に気を付ける。

2.2確認実験

 要因効果図を作成し最適条件を推定する。最適条件で確認実験を行う。推定した利得と確認実験で得られた利得が一致しているか確認する。推定利得と実験結果の差が±5dB以内であれば再現性は十分である。

5dBを超える場合は、見落としている因子がないか、制御因子間の交互作用がないか等を検討し再度実験を行う。

3.関係者との調整方策

3.1各部門との協力体制構築

各部門の観点からの影響因子の抽出を行う。特に成形技術者の所有するノウハウに留意し条件と水準に反映する。各段階でDRによる検討を行い実験計画に反映する。

3.2下流工程での再現性の確認

機能実験では良好だった結果が下流工程で再現しているかの確認とフォローを行う。不適当な特性を機能として評価していると下流工程では別の形で副作用が生じる。信頼性評価などの結果と差異を確認する。

以上。

ダウンロード用PDF
スポンサーリンク
スポンサーリンク
技術士論文例
ものねこをフォローする
もののほん

コメント

技術士を目指す方のサポートをいたします。
筆者(ものねこ)は、最低限の正しい知識を本ブログで入手し、プロの論文添削を受けることが合格へ最短ルートになるように努力してまいります。

ものねこをフォローする