問題
令和1年 技術士二次試験 機械部門 選択2(機械設計)より
論文例
1,調査・検討すべき事項
1,1顧客要求
顧客の要求品質を明らかにする必要がある。顧客から提示された条件などを基にして本質的な課題を解決するための仕様は何かを検討する。
1,2設計検証
製品仕様を満たすための各機能の信頼性の根拠を明らかにする必要がある。設計上どのように機能を確保したかや評価が必要な場合はどのような方法で基準は何かを検討する。
2,業務を進める手順、留意点と工夫点
設計審査には、承認と議論の場であることが求められ、特に議論の場としての機能が重要である。以下に議論を効果的に行うための方法を示す。
2,1品質機能展開表(以下、QFD)
顧客要求を製品品質と関連させて分析し、特に管理すべき製品品質を明確化する。さらに、QFDにより設定した品質が得られるように製品品質→設計仕様、設計仕様→製造工程のように展開していくことで各部品や各工程がどのように品質(顧客要求)を担保しているかを明確にする。工夫点として、本質的な課題解決のためデザイン思考を活用して顧客要求の項目を検討する。留意点として、誤った分析をした際に各工程に対して大きな手戻りが生じる。
2.2DRBFM
DRBFMは、設計の「変更点」や、製品が使われる環境や仕向地などの「変化点」に着目することで、品質トラブルの発生を防ぐ手法です。以下の手順で議論を行います。①各変更点についての目的、役割、心配点、設計、評価に関して設計担当が報告を行う。②報告をもとに製造、品質保証等の各部門担当者らと議論を行う。③議論を踏まえて設計や製造に反映する事項を決定する。工夫点として、事前にレビュー資料や設計情報を共有し当日は課題解決の場となるようにする。留意点として、議論が発散しないようにその場で担当と期日を明確にする。
3.関係者との調整方策
3.1各部門との協力体制構築
開発設計の初期段階では製造や品質管理部門の担当者は十分な設計情報を持たない。この為、効果的な問題点の指摘を行うためには以下の手法を用いたコンカレントエンジニアリングを実施する。
3.1.1モデルベース開発
3Dモデルや1DCAEを用いた機能モデル図を用いた開発設計を行う。設計情報を早期から共有し各担当の業務へ展開することでDR時の事前検討を促す。
3.1.2プロダクトデータマネジメント(以下PDM)
部品構成表を一元管理し各部門と共有する。類似の製品との比較や設計の変更内容を部品単位で入手し業務へ展開することで具体的検討を行える。
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