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機械設計技術者試験1級 論文例「育成と伝承」

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問題

機械設計技術者試験1級 H30 小論文より

開発技術力の育成と伝承について
技術革新やニーズの多様化に即応し優れた製品力で他社をリードするには、新技術新製品の開発技術力の如何にかかっている。その基本となる個々の技術力をどのように育成しまた伝承しつつ総合力を高めていくかその実践すべき方策について述べよ。

論文例

はじめに
技術の高度化や統合化及び要求ニーズの多様化に伴い機械設計に求められるレベルもともに高度化と多様化が進んでいる。そのような状況のなかで、開発技術力を確保しながらも技術者のさらなる育成を行い、伝承すべき技術も伝承していくには長期的な戦略をもって取り組む必要がある。

問題点
伝承と育成をスムースに行うために問題となる点は以下である。
①どれが伝承すべき技術か不明瞭。②業務多忙であり優先度が低い。③計画、管理方法が不明瞭。

解決策
問題点を適切に解決するための方策について検討する。
少子高齢化社会では、職種を問わず現場で蓄積された暗黙知を、伝承者の減少傾向の中でいかに次世代へ伝承させるかが重要である、それを踏まえた育成伝承の方策として、①暗黙知の形式知化、②教育・伝承技術項目の整理、③計画立案 を実施する。

①暗黙知の形式化
伝承者(個人、組織問わず)が所有する知識と技術を数値や言語(マニュアル)化し形式知化する。必要であれば映像でのデータ化などをはじめ、拡張現実(AR)や積層造形(AM)などのツールを用いて見える化し、教育資料として再現性の高いものをめざす。また、蓄積されたデータはノウハウとして管理し企業競争力として活用する。

②教育・伝承技術項目の整理
技術の重要度、応用性の高さ、使用頻度などの基準をもとに教育及び伝承すべき技術の項目を整理し優先順位をつける。
コア技術や代替え手段のないものについては優先度を高くし、副次的な技術については優先度を低くする。また、修習にかかる時間や方法(OJT、セミナー等)、教育対象(全員、○○課、新卒のみ、中途採用者のみ等)についても記載する。

③計画立案
②の情報をもとに教育の計画化を行う。
一時的な対応としての計画ではなく、長期的な教育と伝承の持続的な仕組みを作成することを明確にしてから計画の立案を作成する必要がある。進捗管理や評価は教育対象者だけでなくOJT指導者や社内講習の講師も対象にして必要であればインセンティブの設定も検討する。
教育計画とともに整理した伝承技術と教育内容については管理(ナレッジマネジメント)し共有する。

波及効果と懸念点
上記を実行した際には、教育成果以外の波及効果と懸念事項が生じるので述べる。

波及効果
労働参加者の増加…熟練高齢者の指導業務による雇用を創出できる。また教育環境を制度化(例、学校化等)できれば技術経験の浅い若年者の雇用範囲拡大につながる

懸念点
教育に使う工数が増加するので通常の業務にかける工数が減少する。これに対しては教育伝承の計画立案時に業務の外注化や分散化、人員調整を行い無理な負荷がかからない状態にして実施する。

おわりに
少子高齢化社会において組織の設計力・技術力を確保したうえで、さらに高度で多様な要求に応えつづける為には、個人の技術力の効率的な向上と蓄積された技術データの有効利用がベースになる。いずれもデジタル化(DX)による支援が有効でありDXツールの利用を積極的に実施してくことが持続的な仕組みを構築するポイントである。
個人の技術力向上と技術データの有効な利用により培われた基盤は技術革新を促すことになるので計画的に推進したい。

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