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技術士二次試験の選択科目Ⅱ・Ⅲ|骨子の作り方とテンプレートの使い方

2026 9/24
技術士試験
2026年8月12日2026年9月24日
「技術士 論文の書き方 選択科目編」と書かれた記事のアイキャッチ

選択科目の答案で迷うのは、知識が足りないときだけではありません。何を問われ、どの条件で答えるかを整理せずに書き始めると、知っていることを並べても設問から外れます。骨子は決まり文句を当てはめるためではなく、設問の要求と答える内容を一対一で確かめるために使います。

この記事では、令和8年度の公式案内に記載された試験の枠組みと、技術士ギルドが提案する練習手順を分けて説明します。後半の骨子表・行数例・文章テンプレートは当サイト独自の学習補助であり、公式の採点基準や模範答案ではありません。受験する年度の案内と実際の問題文を必ず確認してください。

目次

選択科目Ⅱ・Ⅲの違いを先に押さえる

以下は総合技術監理部門を除く技術部門について、日本技術士会「令和8年度 技術士第二次試験 受験申込み案内」の「試験科目」「試験の内容」に基づく概要です。ⅡとⅢは同じ午後の3時間30分で解答します。

区分出題数と選択数・問われる力答案用紙・配点
Ⅱ-14問から1問を選択。専門知識を説明する600字詰め1枚・10点
Ⅱ-22問から1問を選択。条件に専門知識や経験を適用し、業務遂行手順・留意点・工夫を説明する600字詰め2枚・20点
Ⅲ2問から1問を選択。複合的な問題から技術課題を分析し、解決・遂行を論理的に説明する600字詰め3枚・30点

「問題が3問出る」のではなく、Ⅱ-1・Ⅱ-2・Ⅲの三つの区分からそれぞれ1問を選び、計3問に答えるのが正確です。答案用紙は1枚24字×25行で、600字・1,200字・1,800字は用紙の容量です。公式案内に全マスを埋める指定は見当たりません。

筆記試験の合否基準は令和8年度の合否決定基準を確認してください。選択科目に60%以上の得点という基準が示されていますが、Ⅱ-1・Ⅱ-2・Ⅲの各設問にそれぞれ60%の足切りがあるとは書かれていません。

公式案内で示される評価項目も区分ごとに異なります。Ⅱ-1は専門的学識・コミュニケーション、Ⅱ-2は専門的学識・マネジメント・リーダーシップ・コミュニケーション、Ⅲは専門的学識・問題解決・評価・コミュニケーションです。ただし、項目名を答案に散りばめることが目的ではありません。設問に即した判断と説明で示します。

書き始める前に「設問要求表」を作る

問題文を読んだら、次の四つを短い言葉で控えます。これは当サイトの練習法です。

読み取ること骨子に書くこと見落としたときに起きること
対象と立場対象設備・技術分野、自分に求められる役割一般論や別分野の話に逸れる
与えられた条件制約、安全・品質上の前提、対象範囲成立しない提案を書く
各設問の動詞「挙げる」「比較する」「手順を示す」「理由を述べる」などへの答え一つの論点だけ詳しく書き、他を落とす
根拠と確認なぜ選ぶか、何を測り・誰と調整し・どう評価するか対策名を並べるだけになる

過去問の似た語句を見つけても、指定された数・観点・前提、最後に求めるリスクや効果などはその都度確認します。「毎年この順で問われる」と決めつけないでください。日本技術士会の第二次試験過去問題から自分の部門・選択科目の問題用紙を開いて練習すると、用意した型に合わない設問にも気づけます。

Ⅱ-1:専門知識を「問いへの説明」にする

Ⅱ-1は短い答案です。使いたいキーワードを先に決めるより、設問が求める数、比較軸、適用条件を確認します。二つの方式を比較するなら、方式名を挙げた後に、原理、長所と制約、どの条件で使い分けるかを同じ軸で説明します。問われていない実務談や長い導入は、必要な説明の余地を削ります。

骨子は「結論・対象→理由・原理→比較または適用上の注意」のように仮置きします。実際の設問が一つの方式の説明を求めるなら形を変えます。最初と最後に同じ結論を繰り返すことより、600字詰め1枚で質問に不足なく答えることを優先してください。

Ⅱ-2:条件から業務の手順と判断点をつなぐ

公式案内が問うのは、与えられた条件を踏まえた業務遂行手順と留意点・工夫です。「責任者として行う」と書くだけでは、調査の結果がどの判断につながるかが見えません。次の順で骨子に短く書くと、手順の抜けを点検できます。

  • 対象と制約を固定する。何を達成し、何を守る必要があるか。既存設備、工期、安全、品質など、問題文にない条件は勝手に追加しない。
  • 確認事項から判断へつなぐ。何を調べ、その結果でどの案を比較・採用するか。調査項目と検討項目を別々に羅列しない。
  • 実施・検証・調整を具体化する。誰と何を確認し、どこで承認を得て、何を測って次へ進むか。設問が関係者調整を求めていない場合は、そこに紙幅を使いすぎない。

以下の骨子図は、この流れを書き込むための練習用ひな型の一つです。図中の設問順、役割、行数は、すべての試験問題に適用する指示ではありません。問題文の要求に合わない欄は消すか入れ替えてください。

選択科目Ⅱ-2で対象・条件、調査と検討、手順、調整事項を整理する練習用骨子表

次の文章配置図も、骨子を答案用紙に移す一例です。固定された配分や公式答案ではありません。設問が二項目なら三項目用の見出しをそのまま使わず、要求に合わせて組み直します。

選択科目Ⅱ-2の骨子を答案用紙2枚に配置する練習例。図中の行数は固定ルールではない

たとえば「調査」と「検討」を求める設問なら、「現物の停止履歴と発生条件を調べる→条件別に原因仮説を比較する→安全性を確認して試験条件を決める」と、前の結果を次の行動へつなげます。これは架空の説明例であり、実在案件や過去問答案の再現ではありません。実際の問題を使った展開は選択科目Ⅱ-2の問題分析から答案までの例も参照できます。

Ⅲ:課題・解決策・評価を一続きの論理にする

Ⅲでは、与えられた問題状況から技術課題を抽出し、解決・遂行方策を説明する力が問われます。過去問題に似た三段構成が見られても、毎回「課題三つ→最重要一つ→リスク」と機械的に決めることはできません。設問の動詞と数、求める評価対象を先に写し取ることが出発点です。

次は当サイトが作成した架空・独自の骨子練習例です。実際の試験問題や実務事例ではありません。トレーを搬送する既設の装置を品種追加に対応させる際、位置ずれ停止を減らす一方、作業者の安全と保守時間を守るという条件を仮に置きます。

骨子の要素架空例で書き出すこと次の段落とのつながり
問題状況と目標品種ごとに位置ずれ停止が増える。安全を損なわず停止を減らす「停止を減らす」だけでは対策を選べない
視点を分けた課題設計:品種差に対する位置決め余裕が不明/制御:停止時の検知条件を切り分けられていない/保全:異常の再現条件・履歴が不足それぞれが目標達成に必要な理由を添える
重点課題と理由品種別の発生条件が分からず、機械要因と検知要因を切り分けられない原因を決めつけた設計変更を避ける
解決・遂行品種別の寸法・反り・供給位置を測り、ガイド形状と検知位置の案を同じ条件で試験する安全確認と変更管理まで含める
効果・残るリスク停止回数だけでなく誤検知、詰まり除去時の接近、保守時間を確かめる何を監視し、問題が出たらどう戻すかを示す

この例で大切なのは「設計・制御・保全」という言葉を並べることではありません。課題として挙げた原因の切り分け不足に対し、解決策で測定・比較し、評価で停止や安全への影響を確認する――前段の問いに後段が答えているかを点検します。過去問を使った展開は機械部門・選択科目Ⅲの答案作成例でも確認できます。

骨子を答案へ移すときは、単語を文章に延ばすだけでなく、判断の根拠と確認方法を足します。たとえば骨子が「品種別の位置ずれを測る→ガイド変更案と検知位置変更案を比べる→停止と安全を確認」なら、答案の一段落は次のようにできます。

品種追加後の停止を直ちにガイド形状の問題と決めず、トレーの寸法・反り、供給位置、停止時の検知信号を品種別に記録する。その結果を同じ判定条件にそろえ、ガイド形状の変更案と検知位置の変更案について、位置決め精度、誤検知、詰まり除去時の安全性を比較する。採用後も停止回数と除去作業の条件を確認し、想定外の危険があれば変更を保留する。

これは上の架空場面から新しく書いた短い文章化の例で、公式答案や合格水準を示すものではありません。実際の設問が「複数の解決策」を求めるなら、各案の役割と実施順も明示するなど、問題文に合わせて補います。

テンプレート図を問題文に合わせる

次の図は、骨子を考え、答案用紙に配置するための学習補助です。図の項目名や段落数が公式に指定されたわけではなく、問題文によって残す項目も順序も変わります。

まず文章配分の図です。図中の22・28・25行などの数値は練習時の一例で、設問数や要求内容が変われば配分も変えます。

選択科目Ⅲの答案用紙3枚への文章配置例。図中の行数は練習用の一例

具体的な答案用紙3枚への配置は選択科目Ⅲ・75行の段落設計(無料)でも確認できます。これも一つの答案例で、指定行数や公式の模範答案ではありません。

次のフロー図と骨子表は、問題状況から課題・解決・評価へつなぐ検討順の一例です。図の「課題三つ」などの欄は、実際の設問の数と観点に合わせて追加・削除してください。

選択科目Ⅲで問題状況から技術課題、解決・評価へ進む検討フローの一例
選択科目Ⅲの設問要求と課題・方策を対応付ける練習用骨子表

以下の三つは、課題抽出・解決策・評価をそれぞれ求める設問を練習するときの書き方例です。「設問1=必ず課題」「設問3=必ず評価」と決めつけて見出しを移植しないでください。図中の行数・字数は配分例であり、公式基準ではありません。

課題抽出を求める場合

課題抽出を求める設問に使う文章配置の練習例。設問1の固定形式ではない

解決策を求める場合

解決策の根拠と実施手順を書くための練習例。設問2の固定形式ではない

効果・リスクの評価を求める場合

効果や新たなリスクを評価する練習例。設問3の固定形式ではない

文字数が足りないときに、解決策だけを長くするとは限りません。設問に対する説明が薄い場所を見つけ、理由、比較条件、実施時の判断、効果の確認方法など、足りない内容を補います。行数を均等にするための文章は増やさないでください。

210分の使い方は、自分の実測から決める

Ⅱ-1、Ⅱ-2、Ⅲに使える時間の合計が3時間30分であることは公式案内の条件です。一方、「1文字に何秒」「骨子は何分」という共通の正解はありません。まず公式過去問を一つ選び、問題選択・読解、骨子、手書き、見直しにかかった時間を別々に記録します。次に本番と同じ答案用紙・制限時間で通し練習をし、足りなくなった工程を調整します。

練習時の初期配分例時間
Ⅱ-1(選問・骨子・記述を含む)30分
Ⅱ-2(選問・骨子・記述を含む)65分
Ⅲ(選問・骨子・記述を含む)100分
見直し15分
合計210分

上の配分は練習を始めるための一例です。手書きの速さ、問題の難しさ、見直しで見つかる誤りに応じて変えます。見直しでは装飾より、問題番号、要求事項の欠落、前提の矛盾、専門用語・数値の根拠を確認してください。

書き終えたら設問との対応を点検する

次は技術士ギルドの学習用チェックであり、公式の採点表ではありません。答案を書いた後、自分の問題文と照らして確認してください。

  • 選んだ問題番号・解答数・答案枚数は、当日の指示に合っているか。
  • 各設問の要求ごとに対応する段落があるか。求められた数・立場・条件を守ったか。
  • Ⅱ-1の専門用語は列挙にとどまらず、原理・適用条件まで説明したか。
  • Ⅱ-2の調査、判断、手順、留意点はつながっているか。設問にない役割を演じていないか。
  • Ⅲの課題、解決策、効果やリスクは同じ問題に向いているか。対策を課題と取り違えていないか。
  • 「安全」「効率」「最適」などの抽象語は、何をどう確認するかまで書いたか。
  • 図の型や定型文に合わせるため、問題文にない前提を付け足していないか。

最初の練習は公式の第二次試験過去問題から1問を選び、本文を書き出す前に設問要求表と骨子だけを作るところから始められます。答案を書いた後は上の7項目で不足箇所を記録し、次の練習で一つずつ改善してください。記事内容の誤りや分かりにくい箇所は技術士ギルドのお問い合わせからお知らせいただけます。

出典・参照先

  • 日本技術士会「令和8年度 技術士第二次試験 受験申込み案内」(試験科目・出題数・解答数・配点・評価項目・答案用紙)
  • 文部科学省「令和8年度 技術士試験合否決定基準」(筆記試験の合否決定基準)
  • 日本技術士会「過去問題(第二次試験)」(部門・年度ごとの問題)
技術士試験
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  • 技術士二次試験の口頭試験対策|当日の流れ・準備7ステップ・想定質問

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