技術士試験の参考書は、一次・二次のどちらを受けるか、受験部門は何かを決めてから選びます。このページでは、基礎・適性の共通問題集1冊と、建設・機械部門の一次・二次に対応する主候補4冊を紹介します。受験段階と部門から、必要な本へ進んでください。
先に結論:一次試験は「基礎・適性」と「専門」の問題集を各1冊、二次試験は部門別対策本1冊と公式過去問を出発点にします。手持ちの教材で補える部分は重ねて買わず、答案例も不足する場合に追加してください。購入時は後継版の有無と収録年度を確認し、未収録年度は公式過去問で補います。
まず買う本を受験段階別に整理
| 受験段階 | このページの候補 | 学習を始める構成の目安 | 選ぶ基準 |
|---|---|---|---|
| 一次・基礎/適性 | 2026年版パーフェクト | 問題集1冊 | 最新年度、解説量、過去問収録年 |
| 一次・専門 | 一次・建設 一次・機械 | 受験部門の問題集1冊 | 部門一致、現行版、解説の詳しさ |
| 二次 | 二次・建設 二次・機械 | 部門別対策本1冊+公式過去問 | 現行制度対応、論文例、口頭対策 |
| 文章・倫理の補助 | 任意の補助書籍 | 必要な人だけ1冊 | 自分の弱点に直結するか |
参考書を買う前に、日本技術士会の第一次試験過去問題と、第二次試験の部門別過去問題を確認しましょう。公式問題は無料です。解説が必要な部分だけ参考書で補うと、不要な購入を避けられます。
参考書選びで外さない4つの基準
- 受験する科目・部門が一致しているか:一次の専門科目と二次の選択科目は、必ず自分の受験区分を確認します。
- 版と収録年度を確認したか:新たに買う場合は、出版社の書誌で後継版の有無、収録年度、ダウンロード特典の期限を確認します。手持ちの旧版を使う場合は、制度の変更点と未収録の問題を公式情報で補います。
- 解説を読んで復習できるか:問題数だけでなく、誤答の理由まで確認できる本が学習用には向きます。
- 本の役割を増やしすぎないか:インプット用、過去問演習用、答案例の3役を決め、同じ役割の本を何冊も買わないようにします。
技術士一次試験のおすすめ参考書
一次試験の制度、日程、合格基準、独学手順は技術士一次試験の概要と独学勉強法で整理しています。以下は2026年10月28日に書誌情報を再確認した刊行済みの候補です。書名の年度・版と、実際の収録年度を区別して確認してください。具体例は建設・機械部門です。他部門は、公式過去問で出題範囲を確認してから、新技術開発センターの部門別教材一覧などで自分の部門に対応する教材を確認してください。
基礎・適性科目
技術士教科書 技術士 第一次試験問題集 基礎・適性科目パーフェクト 2026年版
向いている人:基礎・適性を1冊で演習したい人
- 紙面は令和元~7年度の7回分。平成19~30年度の12回分と令和元年度再試験はWeb提供で、合わせて20回分です。
- 令和8年度の予想模試もダウンロードできます。Web教材のダウンロード期限は2027年9月30日です。
- 基礎・適性をまとめて演習でき、2冊に分けず進めたい人に向きます。
翔泳社/ISBN 978-4-7981-9589-6 書誌情報を確認
専門科目
過去問7回分+本年度予想 技術士第一次試験 建設部門対策 ’26年版
向いている人:建設部門を受験する人
- 令和元年度(再試験)~令和7年度の問題と解説を収録しています。
- 令和8年度の予想問題が付き、専門科目の演習を1冊にまとめられます。
- 正答・解説が別冊で、問題演習と復習を分けやすい構成です。
秀和システム新社/ISBN 978-4-7980-7652-2 書誌情報を確認
技術士第一次試験「機械部門」専門科目過去問題 解答と解説 第9版
向いている人:機械部門を受験する人
- 材料力学、機械力学・制御、熱工学、流体工学を分野別に学べます。
- 令和5年度の全問と、過去5年分からの厳選問題を収録しています。
- 令和6・7年度分は公式過去問で補い、分野別に弱点を復習します。
日刊工業新聞社/第9版・2024年7月刊/ISBN 978-4-526-08342-6 書誌情報を確認
建設・機械以外の部門は、無理に総合本で済ませず、受験部門名を明記した問題集の現行版を探してください。適切な市販本が見つからない場合は、公式過去問を軸にして、大学の教科書や専門書で弱点分野を補う方が確実です。
技術士二次試験のおすすめ参考書
二次試験は、参考書を読むだけでは答案が完成しません。部門別対策本で試験の型をつかんだら、公式過去問を使って骨子と答案を作ります。可能なら第三者の確認を入れると、自分では気づきにくい弱点も見つけられます。
本年度予想模試付き 技術士第二次試験 建設部門対策 ’26年版
向いている人:建設部門で申込書から口頭試験まで全体像をつかみたい人
- 申込書、論文作成、必須Ⅰ、選択Ⅱ・Ⅲ、口頭試験を1冊で確認できます。
- 令和元~7年度の必須科目Ⅰの過去問と、本書が示す論文例を収録しています。
- 選択科目の個別テーマは、公式過去問と専門資料で補います。
秀和システム新社/ISBN 978-4-7980-7653-9 書誌情報を確認
技術士第二次試験「機械部門」完全対策&キーワード100 第7版
向いている人:機械部門で論文例・キーワード・口頭対策をまとめて確認したい人
- 必須科目と選択科目の論文対策、口頭試験対策までを網羅しています。
- 100以上の関連キーワードがあり、答案材料の棚卸しに使えます。
- 2026年2月刊行の第7版です。
日刊工業新聞社/ISBN 978-4-526-08425-6 書誌情報を確認
合格答案例は「最新年度」と「自分の部門」を確認
答案例を追加で確認したい場合は、新技術開発センターの第二次試験教材一覧に解答事例集・復元解答集があります。研究会が作成した解答事例と、合格者の答案を復元したものは別の商品です。年度、巻、収録部門・選択科目を確認してください。いずれも試験実施機関の公式模範解答ではありません。
答案を作った後の確認方法は技術士二次試験の論文添削の選び方、講座を含めて比較する場合は技術士二次試験の通信講座比較へ進めます。参考書だけで十分か、添削を追加するかを先に判断すると無駄がありません。
試験必須ではないが、弱点補強に役立つ本
以下は受験の必須教材ではありません。倫理の説明、技術文章、課題設定など、自分の弱点が明確な場合にだけ追加してください。試験参考書を一通り解く前に買い増す必要はありません。
技術者倫理を事例から理解したい
はじめての工学倫理 第4版
向いている人:適性科目や口頭試験の倫理を、具体例と結びつけて理解したい人
- 抽象的な条文暗記だけでなく、判断の背景を考える補助になります。
- 一次試験の過去問演習を置き換える本ではありません。
技術者倫理の事例学習向け 書誌情報を確認
答案の読みやすさを直したい
文章添削の教科書
向いている人:主語・述語、文の長さ、論理のつながりを自分で点検したい人
- 答案を「書いた後に直す」観点を増やせます。
- 技術士試験固有の採点基準は、試験対策記事や添削で補ってください。
文章推敲の補助書 書誌情報を確認
技術文章の基本を学び直したい
理科系の作文技術
向いている人:簡潔で誤解の少ない技術文書の基本を学びたい人
- 情報の順序、事実と意見の分離、読み手を意識した表現を学べます。
- 答案テンプレート集ではなく、文章の基礎を整える本です。
中公新書 書誌情報を確認
問題設定を深く考えたい
問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション
向いている人:「問題」と「課題」を切り分け、解くべき問いを具体化したい人
- 課題設定の視点を広げる補助になります。
- 試験制度や答案形式の解説書ではありません。
課題設定の補助書 書誌情報を確認
よくある質問
旧版が安ければ買ってもよいですか?
制度や基礎知識そのものは学べますが、年度版には最新の過去問・予想問題・解説更新があります。後継版が出ている場合は、現行版を優先する方が買い直しを避けられます。中古を選ぶ場合も、収録年度とダウンロード特典の期限を確認してください。
一次試験は何冊必要ですか?
基礎・適性科目で1冊、専門科目で1冊を出発点にします。必要冊数は手持ちの教材や得意分野によって変わります。まず公式過去問を解き、解説不足や弱点が明確になってから追加してください。
電子書籍でも勉強できますか?
本文を読む用途には便利ですが、問題を何度も解くなら紙の方が書き込みや見開き確認をしやすい人もいます。通勤中は電子、休日の演習は紙という使い分けも可能です。
参考書と通信講座はどちらがよいですか?
一次試験は、過去問を自力で復習できるなら独学で十分狙えます。二次試験は答案の妥当性を自分だけで判断しにくいため、添削者がいない場合に講座や単発添削を検討します。最初から講座ありきにせず、困っている工程を特定して選んでください。
まとめ
参考書選びでは、受験段階・部門、本の役割、版と収録年度を確認します。一次試験は基礎・適性と専門の不足をそれぞれ補い、二次試験は部門別対策本を入口に公式過去問と答案作成へ進みましょう。任意の補助書籍は、弱点が見えてから追加してください。
一次試験から登録までの全体像は技術士になるまでの合格ロードマップで確認できます。
