技術士2次試験の学習は順調ですか?技術士試験で合格できる論文を作る技術は一朝一夕で身につくものではないので苦労しているのではないでしょうか。
論文試験では最初の骨子作成で合否のほとんどが決定します。本記事では、骨子の作り方と骨子に集中するための文章のテンプレート化の方法について解説します。
この記事を読むことで技術士試験の必須Ⅰの論文について理解を深め、合格論文の書き方を具体的にイメージできるようになるはずです。
技術士2次試験の筆記試験は「必須」と「選択」の2科目に分かれています。本日は、「必須」論文の概要や対策について解説します。注)「必須」科目は論文記述式問題と択一式問題が入れ替わりながら実施されています。R1~R6は論文でした。通例であればR7からは択一式問題になります。
必須Ⅰ(論文)の基礎情報を確認する
次の表に基礎情報をまとめます。
問題テーマ | 社会問題もしくは「技術部門」に関わる基礎的なエンジニアリングの問題がテーマになります。 |
試験時間 | 120分 |
論文枚数 | 600字×3枚(=1800字)です。 |
合格基準 | 60%以上(24点以上/40点満点) |
問題の設問のパターンは、設問3にいくつかバリエーションがありますが他は毎年ほとんど同じです。
設問1 | 多面的な課題を複数抽出する |
設問2 | 最重要課題の選択と複数の解決方法の提案 |
設問3 | ・解決策を実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対策 ・解決策を実行したうえで得られる効果とその波及効果と新たに生じる懸念事項への対応策 |
設問4 | 技術者としての倫理、社会持続性の観点から必要となる要件、留意点 |
必須Ⅰ(論文)で問われるコンピテンシーを確認する
必須Ⅰ(論文)では、専門的学識、問題解決、評価、コミュニケーション、技術者倫理についてのコンピテンシーを評価されます。(コンピテンシーについてはこちらの記事でまとめています)
- 専門的学識とは「専門知識を理解し応用すること」です。
- 問題解決とは「複雑な問題を整理し複数の解決策を提案すること」です。
- 評価とは「結果の効果と懸念点等を分析し、フィードバックすること」です。
- コミュニケーションとは「文章がわかりやすいこと」です。
- 技術者倫理とは「技術士としてあるべき姿」であり、技術士倫理綱領の内容をさします。
必須Ⅰ(論文)の書き方
論文作成の時間配分を決める
技術士論文では試験時間をどう使って論文を完成させるかの戦略を持つことが重要です。次のような時間配分を目安に時間内で論文を掲げるように準備をしてください。
論文骨子作成 | 35分 |
論文作成 | 75分 |
見直しやアンダーラインの作成 | 10分 |
1文字を書く時間は平均で2~3秒といわれています。つまり、1800字書くには60分~90分必要になります。論文作成75分はかなり忙しく書いてる最中にいろいろ考えるのは困難なことがわかるかと思います。
各設問に対する解答の配分(分量)を決める
各設問に対する分量に差があると「知識が無くて書くことがないのでは?」と評価されてしまします。バランスよく答えることが各コンピテンシーのアピールにつながります。
技術士試験で用いられる原稿用紙は25行×24文字=600文字原稿用紙です。文章量の目安は次の画像を参考にバランスよく配置してください。論文を書き始める前に解答用紙の余白等に印(画像の矢印のように)をつけてから書くことをお勧めします。
文章配分の目安のイメージ
論文の骨子を検討し作成する
論文の内容は、書き始める前の骨子のクオリティーで90%決定します。
筆者のおすすめ練習方法は、次の骨子検討フローに従って検討し、検討内容は骨子作成テンプレートに記載しまとめるという方法です。
実際に論文に記述するのは骨子検討フローの下半分程度ですが、上半分を含めた正しい分析を行うことで題意に沿った論理的で内容の充実した論文が書けます。論文評価の優先順位は当たり前ですが「論文の内容」です、小手先にとらわれない中身ある論文を書くための方法を身に着けてください。
骨子検討フロー
骨子作成テンプレート
課題の抽出方法のポイントなどについてはこちらの記事でまとめています。参考になると思いますのでご一読ください。
文章のテンプレート化で効率よく記述する
骨子作成によって論文の内容ができたら、文章のパターン(テンプレート)に当てはめながら効率的に記述します。設問ごとのテンプレートを用意したので下記を参考にご自身が使いやすいテンプレートを用意してください。
設問1「課題」のテンプレート
設問2「解決策」のテンプレート
「解決策」は解答の中で最も重要な部分なので文章量を増やすなら「解決策」の文章を増やすようにしてください。
設問3「評価」/設問4「要件」のテンプレート
設問4の「要件」も重要なコンピテンシーです。少なくとも10行は書くようにします。
テンプレートに合わせて論文を書くことに慣れたら、骨子を作成する訓練に時間をかけることをお勧めします。論文作成はテンプレートに当てはめるだけにして、いろいろなテーマの問題に対して論文骨子を素早く検討作成できるようにしてください。
最後に
本日は、「必須」論文の概要や対策について解説しました。
合格できる論文を作る技術は、簡単には身につきませんが、本記事で紹介した骨子検討フローと論文テンプレートを利用して合格できる論文作成の力を獲得してください。
本ブログでは技術士試験の合格のための記事を用意してます。合格のためにやるべきことを全てまとめたロードマップ記事や有料講座を比較紹介している記事などがありますのでご参考になれば幸いです。
ご精読ありがとうございました。