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人生100年時代における技術士の副業・独立・定年後について

現代は「人生100年時代」と呼ばれるほど、私たちの寿命が延び続けています。長寿化に伴い、一つの職業に一生を捧げる従来のキャリアモデルが見直され、仕事と私生活のバランスやキャリアの多様化がますます重要になっています。

技術職に従事する皆さんも、将来に対する不安や新たなキャリアパスへの模索を感じていることでしょう。

そんな中で、技術士資格の取得は、現代の多様化するキャリア形成において強力な武器となります。

継続的な学習とスキルアップを支援する技術士資格は、変化する市場ニーズに対応し続けるための基盤を提供します。

技術士の副業を考える

副業ってどれくらい人がやっている?

就業構造基本調査(総務省統計局)によると、2022年の時点で332万人が副業を行っています。これは全国の就労者数約6600万人の約5%に相当します。

就業構造基本調査(総務省統計局)を基に作成

また、企業側の副業容認率は2023年の時点で60.9%で、増加傾向です。

副業の実態・意識に関する定量調査(株式会社パーソル総合研究所)

技術士が副業をためしてみる価値

出鼻をくじいて申し訳ございません。収入を増やしたいのであれば、まずは本業に集中することを検討しましょう。技術士になるほど優秀なあなたは本業にコミットできれば十分な収入とやりがいを得られるのではないでしょうか?

収入面以外の価値

副業は単に収入を増やす手段だけではなく、ライフワークの発見個人で稼ぐ達成感を味わうことができます。また、副業を通じて自身の経験やスキルをどのように活かせるかを考えることで、マーケティング思考も養われます。

おすすめな副業はライター

技術士としての専門性を活かした副業が具体的に思い浮かばない場合は、まずはライターとしての活動を始めてみることをお勧めします。

具体的には、テクノポートアイアールといった技術系ライターの募集に応募してみましょう。

技術士として独立起業を考える。

「独立起業は、自由な働き方と自己実現を追求する上で重要な選択肢です。技術士資格を持つことで、専門性を活かしたビジネスモデルの構築が可能となります。独立することで、自身のアイデアやビジョンを形にし、柔軟な働き方を実現できます。」

と言いたいところですが、独立開業して年収1000万円なんていうのは非常に高いハードルです。

技術士の報酬は時給5,000~10,000円程度

独立技術士の収入について、日本技術士会の調査によると、約70%の業務の時給は10,000円以下の報酬しか得ていないようです。

(出典:日本技術士会「技術士報酬アンケート結果」

仮に時給5,000円で8時間労働すると、1日の収入は40,000円になります。これを年間240日稼働すると、年収は約960万円

この金額を達成するためには、常に仕事が途切れなく続く必要があり、現実にはこのような状況を維持するのは簡単ではありません。

技術士資格は国家資格として信頼性を提供しますが、それだけで成功が保証されるわけではありません。

しっかり稼ぎたいなら「専門性の明確化」が必要

しかし、技術士の中でも、報酬が高い人は存在します。「技術士報酬アンケート結果」によれば、3%の業務では50,000円以上の報酬を得ています。彼らは、単なる定型業務ではなく、専門性の高い業務で差別化を図っている可能性が高いのです。

モディティ化された業務から抜け出すためには、「専門性」を明確にすることが重要です。技術士として専門知識やスキルを持つのは当然ですが、それをどうクライアントに伝え、他と差別化するかが鍵となります。

専門性を明確にするには、まずこれまでのキャリアを整理し、「他の人より少し得意なこと」を見つけることが第一歩です。それを複数組み合わせることで、独自の価値を生み出すことができます。たとえば、「自動車業界向けの品質管理」と「AI技術の導入支援」を組み合わせると、特定のニーズに応えるポジションを築くことが可能です。

(さらに問題なのは、専門性を持っていても、それを効果的に表現できていない、必要なクライアントに伝わっていないことですが、これについては別の記事でまとめています。)

技術士の業務には独占業務はありません。これは裏を返せば、どのような活動を選んでも良い自由度があるということです。

技術士の業務の一例

技術士報酬アンケート結果

(出典:日本技術士会「技術士報酬アンケート結果」

また、独立開業が目的ではなく、結果であるという点も見逃せません。さまざまな場で経験を積み、それを活かして収益を上げることが先決です。その積み重ねが独立への道を切り開きます。焦らず、目の前の活動に取り組みながら、自分の専門性を発展させていきましょう。

独立開業が先にあるのではありません。それぞれの場所でそれぞれの方法で頑張った結果稼げるようになった。その後に、都合がいいから独立開業しているのです。

専門性についての参考書籍と独立開業に興味がある方におすすめの書籍

定年後のために技術士を

定年後に困るのは何者でもなくなってしまうことです。そこで役立つのが、個人に与えられる社会的信用「国家資格:技術士」です。

映画「マイ・インターン」で登場するフロイトのフレーズをご存知でしょうか。 「(大人の)人間性の中核となるものは、愛と仕事である」

(c) Warner Bros. Entertainment Inc.

失礼を承知で言うと。技術士なんていうコスパの悪いめんどうくさい資格を目指しているあなたはお金があろうとなかろうと働ける限り働くのです。

技術士資格を取得することで、定年後も仕事を通じて社会に貢献し続けることが可能です。もちろん、資格取得には努力が必要ですが、取得後のメリットも多岐にわたります。

ちなみに、お金のメリットも一応あります。以下では、個人事業主になるための方法や、手取りを増やす具体的な手段について詳しく説明します。

生活費を経費にできる可能性がある

経費は、事業収入を上げるために発生した費用を指します。自宅で仕事をする場合、家賃のほかにも電話代や電気代などの一部を経費に計上できます。

これらの費用は会社員であれば生活費となりますが、個人事業主になれば税金を減らすための経費として扱えます。

様々な節税制度が利用できる

個人事業主になると、様々な節税制度を活用できます。その一つが「少額減価償却資産の特例」です。取得価額が30万円未満の減価償却資産を少額減価償却資産として、取得価額全額を経費計上することが可能です。青色申告を行う必要があるため、開業届を提出する際に税務署に一緒に提出してください。

その他にも、小規模企業共済制度や中小企業倒産防止共済制度など、節税に役立つ制度があります。小規模企業共済制度は、退職金として機能する制度で、任意の金額を月額の掛金として支払うことで、個人事業を廃業した際に給付を受け取れます。掛金は所得から控除できるため、高い節税効果があります。

「事業収入」であれば在職老齢年金が減額されない

働きながら受け取る老齢厚生年金(在職老齢年金)は、年金と給与の月額が47万円以上になると、一部が支給停止もしくは減額されます。

しかし、年金を受け取りながら個人事業主として働く場合、収入は給与ではなく事業収入となるため、この制限の対象外となります。そのため、いくら稼いでも満額の老齢厚生年金を受給することが可能です。(在職老齢年金の支給停止の仕組み)

最後に|まずは、技術士についてもう少し調べてみませんか。

技術士資格は、副業や独立、定年後の活動など、多様な働き方を実現する強力な武器です。人生100年時代におけるマルチステージキャリアを支え、技術者が自身のスキルを最大限に活かすことを可能にします。

資格取得により、変化する市場ニーズに柔軟に対応できる能力が養われ、専門知識の証明となります。

また、長寿社会における持続可能なキャリア形成においても、技術士資格は重要な役割を果たします。自己実現と社会貢献を両立させる手段として、資格はますます価値を高めています。

技術士資格を通じてスキルを磨き、柔軟な働き方を追求することで、豊かで充実したキャリアを築き、社会に貢献することが可能です。

まずは、技術士について調べてみませんか。

本サイトでも技術士試験合格へのロードマップ記事技術士2次試験講座比較の記事を用意しています。よろしければご参考になさってください。

挑戦は未来を変える第一歩です。あなたの新たなスタートを応援しています!