技術士試験の2次試験に向けて、「勉強時間が足りない」「どうすれば最小限の勉強時間で合格を目指せるか」と悩んでいませんか?仕事や家庭の都合で勉強に時間を割けない方も多いでしょう。しかし、効率的な勉強方法さえ取り入れれば、限られた時間でも合格は可能です。
本日は、実際に技術士試験に合格した方々の経験に基づいた、最小限の努力で成果を出すための具体的な勉強法をお伝えします。
効率的に合格を目指すための秘訣や、よくある間違いを回避するポイントも網羅しています。忙しい日常の中でも技術士試験に成功するための方法を知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
次の図は、技術士試験に合格するための論文を書けるようになるためのステップをまとめたものです。各ステップごとに具体的な目標が設定されており、その目標に向けた手順が示されています。
各ステップと作業フローについて解説致します。
ステップ1:試験論文の分析と作成準備に挑戦
ステップ1のゴールは「論文を書けるイメージが少しでもできればOK」
技術士試験の論文作成は、多くの受験者にとって大きなハードルです。このステップでは、完璧な論文を求めるのではなく、「論文を書けるイメージ」を持つことが重要です。過去問を活用して、試験で求められる内容を理解し、次のステップへ進むための基礎を固めましょう。
作業フロー1:過去問・過去問解答分析
最初に、過去問とその解答例を徹底的に分析します。過去の出題傾向や評価基準を理解することで、試験の全体像が見えてきます。過去問(5年分程度)の出題傾向と合格解答のレベルについて把握します。
解答例は、新技術開発センターの復元論文集(5,000円)等の最新年版を購入してください。
過去問や解答例のわからない部分をキーワードとして抽出しキーワード学習で押さえて行きます。わからないところがだいたい無くなったら、次に、論文の作り方を分解して覚えます。
次の2つの記事が参考になると思うので参考にしてみてください。
「技術士2次試験|骨子作成とテンプレ利用で合格論文を作る<必須編>」
「技術士2次試験|合格できる論文の書き方<選択科目編>論文は骨子が9割」
キーワード学習と併せて繰り返し過去問と解答例を読み込んで自分でも書けそうなイメージができたら次のステップ2に移ります。
POINT:できなかったら戻ってくればいいのでできるだけ早く論文を書く練習に移りましょう。
作業フロー2:コンピテンシーの確認
技術士試験に合格するにはコンピテンシーについて理解しておく必要があります。なぜなら、技術士試験の採点は、「コンピテンシー」を基準に行われます。
技術士のコンピテンシーとは、①専門的学識、②問題解決能力、③マネジメント、④評価、⑤コミュニケーション、⑥リーダーシップ、⑦技術者倫理、⑧継続研鑽の8つのことをさします。(日本技術士会)
コンピテンシーの解説についてはこちらの記事で詳細にまとめています。
「技術士試験の本質を理解するにはコンピテンシーの理解が必要」
作業フロー3:キーワード学習
キーワード学習とは、試験に出題されそうなキーワードを過去問題や国省庁の資料から抽出して、その内容を調べてまとめる勉強法です。
「知識量」と「文章記述力」の向上に効果的なだけでなく、「解答の引き出し」を用意することにも有効な方法のため技術士2次試験の学習手段として有名講座や試験合格者から推奨されています。
詳細については「技術士二次試験|キーワード学習を論文作成力につなげる効果的なやり方」でまとめています。
キーワード学習のポイントはやりすぎないことです。論文が書けなかったら都度やればいいのでできるだけ早く論文を書く練習に移りましょう。
ここまでがステップ1です。「論文を書けるイメージが少しでもできればOK」ですのでまずは次のステップで論文を書いてみましょう。
ステップ2:選択科目Ⅱ-1(1枚論文)に挑戦
ステップ2のゴールは選択科目Ⅱ-1の「論文全文を複数作成(過去問10題以上)」
選択科目Ⅱ-1の挑戦では、過去問を10題以上解いて論文を複数作成することが目標です。この過程で論文作成スキルを実践的に向上させ、短時間で内容の濃い論文を書く訓練を積みましょう。繰り返し作成することで、強みや改善点が明確になります。
作業フロー1:論文の作成
まずは実際に論文を書いてみましょう。
次の記事を参考に1枚論文を完成させてみましょう。
「技術士2次試験|合格できる論文の書き方<選択科目編>論文は骨子が9割」
作業フロー2:論文の添削
書き終えたら自分で添削し、第三者にも添削を依頼しフィードバックをもらいましょう。※すべてを添削に出す必要はありません。
他者の視点からの指摘は、気づかなかった改善点を発見する大きな助けになります。(添削サービスのあるおすすめ通信講座はこちらの記事で紹介しています。)
作業フロー3:論文の修正
フィードバックを基に修正を行います。1枚論文にも問題パターンがいくつかあるので網羅するためにも10題程度は解くようにしましょう。
ステップ2でのゴールは「論文全文を複数作成(過去問10題以上)」です。1枚論文で論文を書くことになれたら、次の2枚・3枚論文に挑戦しましょう。
ステップ3:選択科目Ⅱ-1以外(2枚・3枚論文)に挑戦
ステップ3のゴールはつぎの3つです。
「ゴール①:評価「A」の論文全文の作成」
「ゴール②:評価「A」の論文全文を複数パターン作成(各問3パターン以上)」
「ゴール③:論文骨子のみの作成(過去問やオリジナル問題10題以上)」
このステップでは2枚・3枚論文で評価「A」相当の解答を作成し(ゴール①)、解答パターンをいくつか用意します(ゴール②)。さらに、多様な問題に対応するための練習として論文骨子のみの作成を行います(ゴール③)。
作業フロー1:問題テーマの調査
まず、選んだ問題のテーマについて調査します。
何処で調査したらよいかわからない場合には各部門や専門ごとの関連白書を調べてみましょう。
分からないことや疑問が発生したらメモに残して、キーワード学習につなげます。
問題の背景や潜在的な課題がある程度分かったら次に進みましょう。
作業フロー2:論文の作成
調査した内容をもとに、実際に論文を書きます。まずは、過去問の解答例などを参考にしてもいいので自分なりの論文を作成してみてください。
論文の書き方はこちら<必須編>とこちら<選択科目編>の記事をよんで覚えてしまい、勉強時間はできるだけ論文の内容自体の検討に使えるようにします。
作業フロー3:論文の添削
評価「A」の論文と評価「B」の論文の違いが分からないうちは、第三者に論文の添削を依頼します。
添削の依頼先は指導のプロが添削してくれる通信講座がおすすめですが、添削サービスはいろいろな方法で受けれるのでこちらの記事も参考にしてみてください。
添削を通じて、論文の改善点を洗い出します。
作業フロー4-1:調査
添削の結果を踏まえて修正のための調査を行います。
例えば、各解答で求められるコンピテンシーの確認する、テーマ(社会課題)についての国や各省庁の方針を白書で確認する、テーマ(技術課題)についての解決策を業界論文などで調べる、論文に自身の業務内容を反映できないか検討する(専門性をアピールできる方法)などの調査を行います。
作業フロー5:論文の修正
添削と調査の結果を踏まえて論文の修正を行います。
「ゴール①:評価「A」の論文全文の作成」と「ゴール②:評価「A」の論文全文を複数パターン作成(各問3パターン以上)」の達成のためのここの工程が最も大変なポイントです。しっかりと時間をかけて自分の言葉で書いた評価「A」の論文を作成してください。
解決案やリスクの内容を過去問の解答例を参考にするのは構いませんが自分で腹落ちさせたうえで使う様にしてください。ただ、テンプレ的に書いた文言は減点かどうかにかかわらず必ず試験官にバレると思って置いた方がいいです。
作業フロー6:キーワード学習
分からないことなどは放置せずにキーワード学習としてまとめておきましょう。
ステップ1と同様ですが、詳細については「技術士二次試験|キーワード学習を論文作成力につなげる効果的なやり方」でまとめていますのでご参照ください。
作業フロー7:解答パターンを増やすための調査
最後は、、論文骨子のみの作成で解答パターンを増やしてどんな問題にも対応できるように準備します。
「ゴール③:論文骨子のみの作成(過去問やオリジナル問題10題以上)」
論文骨子のテンプレートはどんなものでも構いませんが本ブログでも用意していますので良ければお使いください。<必須>、<選択2-Ⅱ>、<選択3>
骨子を作りながら、解答パターンを増やすための調査や検討も実施するようにしてください。
環境・エネルギーやDX等のテーマについては毎年のように出題されるのであなたの部門や選択・専門領域での最新動向や新技術が無いか調査が必要です。さらに、調査内容を論文の中で利用できる程度にはかみ砕いて理解しておきましょう。
ここまで実施できればどんな問題が来ても評価「A」相当の論文を作成できるようになっています。
自信をもって試験に望みましょう。
最後に|間違った努力を避けて合格を目指しましょう
技術士試験に合格するためには、正しい方法で効率的に進めることが重要です。特に「計画倒れしない」ことが最も大切です。単に「勉強」と考えるのではなく、やるべきことを順番に実行していく意識が求められます。さらに、休息を計画に組み込むことも忘れず無理のないスケジュールを組むことが成功のポイントです。
また、ゴールを見据え逆算し、小さな目標を一つずつ達成しながら、確実に試験準備を進めていきましょう。本記事で紹介したステップと作業フローを活用し、効率的に合格を目指してください。
試験対策のコツや具体的な合格方法をさらに知りたい方は【記事:合格へのロードマップ】をご覧ください。また、効率よく学習を進めるためには、信頼できる通信講座を活用するのが効果的です。プロのサポートを受け、計画的に進めることで、合格への最短ルートが見えてきます。今すぐ合格に向けた一歩を踏み出しましょう!
ご精読ありがとうございました。