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技術士2次試験論文攻略|12ステップ:7「論文作成(必須Ⅰ)」

2026 9/24
技術士試験
2026年8月12日2026年9月24日

本連載では、約6か月の勉強期間を想定し、技術士第二次試験(筆記)の論文対策を12ステップで整理します。必要な学習量は受験部門やこれまでの経験によって異なります。

技術士二次試験論文対策12ステップの全体像。必須科目Ⅰの論文作成は第7ステップ

今回は第7ステップ「論文作成(必須Ⅰ)」です。第4ステップで選んだテーマをもとに、学習用の問題、骨子、答案の例を順に示します。まず一つの答案を最後まで書き、設問に答えているかを見直しましょう。

目次

必須Ⅰの論文作成例

3「資料分析」で取り上げた、2025年版ものづくり白書の少量多品種市場へのロボット導入を題材にします。以下は必須科目Ⅰの練習用に作成したオリジナル問題で、公式の過去問題ではありません。必須科目Ⅰは技術部門全般が対象ですが、この学習例では機械設計の視点に寄せています。

問題

オリジナル問題

近年、産業界において人手不足が顕著となり、多くの企業が労働力の確保に苦慮している。この問題に対処するためには、効率的な作業プロセスの確立、先進技術の積極的な採用、及び知識・技能の高度化が不可欠となる。特に、自動化技術、ロボット技術、AIの応用などが期待されている。大規模需要がある領域ではロボットの導入が進んでいるが、特にこれまでロボットが導入されていない少量多品種市場にロボットの導入を進めることが重要となってきている。これを踏まえ、以下の設問に答えよ。

(1)あなたの専門分野である機械設計において、技術者としての立場で多面的な観点から「少量多品種市場にロボットの導入を進めること」に関する課題を抽出し分析せよ。
(2) 分析し抽出した課題の中から、あなたが最も重要であると考える課題を1つ挙げ、解決するための技術的提案を複数述べよ。
(3) あなたの技術的提案がもたらす効果を具体的に示すとともに、その提案を実施する際のリスクを挙げよ。また、リスクが大きい場合はその低減策について専門技術を含めて述べよ。
(4) 業務遂行において必要な要件を技術者としての倫理、社会全体の持続可能性の観点から述べよ。

骨子表作成

準備した骨子表は下記です。少量多品種市場へのロボット導入という題材から、課題を複数挙げ、重点課題・解決策・効果とリスク・倫理までを設問に沿って整理しています。

ロボット導入を題材にした必須科目Ⅰと選択科目Ⅲの骨子表の記入例

下図は、骨子を作る過程での検討フローです。

必須科目Ⅰの骨子作成例。社会的課題から技術的課題、解決策、効果とリスクへ整理

実際に論文に書くのは「技術課題の設定」以降ですが、どのような検討に基づいて課題が設定されたのかを明確にしておくべきです。問題によっては「ゴールの設定」や「技術的な目標設定」あたりまでは問題文中で語られていたりします。フローを参考に骨子を作っていけるようにしましょう。

解答例

骨子に基づいて書いた解答論文は下記になります。

ロボット導入を題材にした必須科目Ⅰの手書き答案例3枚

参考)解答テンプレート

以下は、このオリジナル問題の設問構成に合わせた答案の型です。公式の固定形式ではないため、別の問題では見出しや分量を調整してください。

必須科目Ⅰの設問1について3つの課題を整理する答案構成例
必須科目Ⅰの設問2について重要課題と解決策を示す答案構成例
必須科目Ⅰの設問3・4について効果、リスク、倫理を記す答案構成例

大切なのは、各設問への答えと技術的な根拠です。下図の見出し・行数配分はこの答案例の目安であり、試験の指定配分ではありません。筆者は見出しを先に書いて書き漏れを確認しますが、内容を型に無理に当てはめず、練習を通じて自分に合う方法を選んでください。

必須科目Ⅰの設問別に行数を配分した3枚の答案構成例

3枚の答案用紙で設問ごとの字数と段落の役割をどう配分するかは、令和8年度・機械部門の公式問題を使った別の学習例「必須科目Ⅰの1,800字答案|設問別の字数配分と段落設計」で詳しく示しています。ここで扱うオリジナル問題とは題材が異なります。

対応するコンピテンシーの確認

必須Ⅰで評価されるコンピテンシーは、「専門的学識」、「問題解決」、「評価」、「コミュニケーション」、「技術者倫理」です。

必須科目Ⅰは技術部門全般にわたる専門知識を扱います。選択科目の技術だけに話を限定すると、部門全体に関わる課題や他の制約条件を見落とすことがあります。一方、解決策を抽象的な言葉だけで済ませず、必要な専門技術と根拠を具体的に示しましょう。設問と受験部門に合わせて、対象範囲と技術の深さを両立させます(日本技術士会の令和8年度受験申込み案内)。

筆記試験では、技術者倫理は必須科目Ⅰの評価項目です。口頭試験でも評価されるため、「必須Ⅰだけ」とは考えないでください。このオリジナル問題の設問(4)では、公衆の安全や持続可能性について、提案したロボット導入策と結び付けて記述します。決まり文句を添えるだけでなく、何を確認し、どのリスクを抑えるかを具体化しましょう。

書いた答案を改善するヒント

最後に、書いた答案の改善点を見つける方法を紹介します。

自分で見直し、必要に応じて添削を受ける

令和8年度の合否判定基準では、筆記試験の必須科目は60%以上が基準と公表されています。一方、設問ごとの配点や個別答案の採点内訳までは示されていません。点数を推測するより、設問に答えているか、技術的根拠と論理が伝わるかを確かめましょう(文部科学省の令和8年度合否判定基準)。

答案を見直す方法は、主に次の二つです。

  • 公式の過去問題と設問要求に照らして、自分の答案を確認する
  • 必要に応じて、技術士や指導者など第三者の意見を聞く

過去問題の分析はステップ2の「過去問題分析」で扱いました。ここでは、自分で見直した後に第三者の添削を利用する場合の考え方を整理します。添削では、設問の読み違い、根拠の不足、論理の飛躍を具体的に指摘してもらえるかを確認しましょう。依頼先を選ぶ際は、次の点を見ます。

  • 自分の受験部門や、最新の公式問題を踏まえているか
  • 修正箇所だけでなく、設問とのずれや修正理由を具体的に説明してくれるか

まず自分で答案を読み返し、設問(1)の課題が異なる観点から挙がっているか、設問(2)の解決策が最重要課題とつながるか、設問(3)の効果とリスク、設問(4)の倫理と持続可能性が具体的かを確認します。そのうえで、改善点が見えにくいときに添削を利用するとよいでしょう。添削は合格の必須条件ではなく、答案を改善するための選択肢です。

社内の先輩技術士、個人の添削者、講座の指導者には、それぞれ得意な領域があります。企業か個人かだけで質を決めず、受験部門への理解、指摘の具体性、回答までの時間、費用を比べて選びましょう。複数の意見が食い違う場合は、公式問題の設問要求に立ち返ります。

添削を受けた後は、指摘どおりに直して終えるのではなく、なぜ直すのかを理解し、次の答案でも同じ観点を使えるか確かめてください。自分で設問と答案を照合できることが大切です。

添削を利用する場合の確認方法やサービス選びは「技術士二次試験の論文添削」をご覧ください。有料講座も含めて比較したい方は「試験対策講座の比較」も参考にしてください。

生成AIは答案作成ではなく、抜け漏れや論理の確認に使う

生成AIは、自分で作った骨子や答案の抜け漏れ、論理の飛躍を確認する補助として使います。最初から答案を作らせるのではなく、まず自分の経験と知識で骨子を作ってから確認を依頼しましょう。

次のプロンプトに問題文と自分の骨子または答案を入れると、確認する観点を整理できます。

あなたは、技術士第二次試験の答案を確認するレビュアーです。以下の問題文と、私が作成した骨子または答案を確認してください。

#確認してほしいこと
1. 問われている内容に答えていない箇所
2. 技術的な根拠が不足している箇所
3. 前提・課題・対策・効果のつながりに飛躍がある箇所
4. 表現が曖昧で、具体化した方がよい箇所

#制約
・完成答案の代筆はせず、修正すべき点を質問形式で示す
・入力内容にない経験や事実を追加しない
・不確かな内容は、不確かであると明示する

#問題文
(問題文を貼り付ける)

#骨子または答案
(自分で作成した内容を貼り付ける)

生成AIの出力には誤りが含まれる可能性があります。技術的な内容は一次資料や自分の専門知識で確認し、会社名、顧客名、未公開の製品仕様、社内資料などの機密情報は入力しないでください。

最後に|必須Ⅰと選択Ⅲとの違いについて

本日は、論文作成(必須Ⅰ)について解説しました。最後に、必須科目Ⅰと選択科目Ⅲの違いを、日本技術士会の令和8年度受験申込み案内に沿って整理します。違いは「社会問題か技術問題か」という二分ではなく、主に問題を扱う範囲です。

比べる点必須科目Ⅰ選択科目Ⅲ
対象となる範囲技術部門全般選択科目
出題の視点技術部門全般に関わる基礎的なエンジニアリング問題選択科目の観点から捉えるエンジニアリング問題

どちらも社会的なニーズや技術の進歩を踏まえ、課題を分析し、解決策を論理的に説明する試験です。必須科目Ⅰでも具体的な専門技術を使えますし、選択科目Ⅲでも社会的背景を扱います。必須科目Ⅰでは技術部門全般の観点を、選択科目Ⅲでは選択科目の観点を意識して、各設問の要求に答えましょう。

次はいよいよ「第3段階|骨子練習と解答ネタ」。ここからが本番ですので一緒にがんばりましょう。

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注)本連載では、2次試験の中の論文対策のみについて触れています。「試験申込書の作成方法」や「口頭試験対策」、「試験対策講座の比較」についても別記事で解説していますのでよろしければ参考にしてください。

<申込書の書き方についての記事へ>

<口頭試験の対策についてはこちら>

<試験対策講座の比較記事はこちら>

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  • 技術士2次試験論文攻略|12ステップ:6「論文作成(選択Ⅲ)」
  • 技術士2次試験論文攻略|12ステップ:9・10「骨子練習と解答ネタ整理」

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