本連載では、約6カ月の学習計画を例に、技術士第二次試験(筆記)の論文対策を段階的に整理しています。

この回では、第9・10ステップ「骨子練習と解答ネタ整理」を扱います。
骨子練習と解答ネタの整理は、設問に合わせて論点を選び、答案の筋道を組み立てるための練習です。ここでは、準備した材料を使い回すのではなく、問題文の条件に合うかを確かめる方法を説明します。
「骨子練習と解答ネタ整理」の流れ
骨子練習に関しては、「論文作成(選択Ⅱ)」、「論文作成(選択Ⅲ)」、「論文作成(必須Ⅰ)」での骨子表の例を参考にしてください。論文全文は書かずに骨子表のみを埋めていきましょう。
骨子表を実際の問題で作る流れは、noteの無料記事令和8年度・機械部門の公式過去問で15分骨子を作る実演で確認できます。
本記事では、解答ネタの整理について説明します。
解答ネタ整理
前段階で仮選定した練習テーマについて、資料や業務経験から得た根拠、適用できる条件、注意点を一覧にします。「3テーマ」は筆者が練習を始めたときの数であり、試験で指定された数ではありません。過去問と自分の選択科目に照らし、必要に応じてテーマを追加・入れ替えます。
最初に選んだテーマは固定しません。練習テーマを仮選定する手順に戻り、公式過去問の設問範囲、選択科目との関係、自分の弱点を確認します。ここで扱うテーマは出題予測や必須テーマではなく、骨子練習を始めるための例です。
解答ネタの一覧表作成
一覧の体裁は自由です。まずテーマ、課題、根拠、解決策候補、適用条件を並べ、実際の設問で使えるか見直しましょう。次の画像は筆者の整理例です。

上図は筆者が機械部門の練習用に作成した準備メモです。共通の観点を探すためのもので、答案をそのまま転用するための表ではありません。必須科目Ⅰは技術部門全般、選択科目Ⅲは選択科目に関わる課題を扱います。課題や解決策を3つずつ挙げることも公式の固定様式ではありません。各年度の設問と評価項目に合わせて、使う欄と内容を変えてください。科目の範囲は日本技術士会の令和8年度受験申込み案内(試験科目)で確認できます。
一覧にすると、複数のテーマで検討に使える技術的な観点が見つかります。上図の色分けは、その共通点を示したものです。ただし、同じ解決策をそのまま答案へ移すのではありません。設問の立場・与条件・問われた数や順序に合うかを確認し、合わない材料は使わないことが重要です。
選択Ⅱ-2も、実際の設問で求められた手順・留意点・評価などに合わせて整理します。次の表は学習用の任意の項目例です。設問にない欄は省き、必要な欄を追加してください。
| 整理する項目 | 書き留める内容の例 |
|---|---|
| 対象と立場 | 対象設備・業務、求められた役割、目的 |
| 与条件と制約 | 設問に記された安全、品質、工程、使用環境などの条件 |
| 実施手順 | 調査・設計・運用の順序と、その順番にする理由 |
| 技術的な留意点 | 想定する不具合、残るリスク、確認・対処方法 |
| 確認・評価 | 結果を確かめる指標、測定・記録の方法 |
骨子表と解答ネタ一覧表は、この記事を含む無料連載だけでも作成できます。12ステップ全体を一つの資料で確認し、印刷・書き込みしながら使いたい方には、機械部門(選択科目:機械設計)の骨子・答案例を収録した全58ページのPDF版も用意しています。無料連載と核となる内容は共通で、提供形式はPDFのみです。収録内容と対象者を確認する
解答ネタが足りない場合について
過去問を読んでも、すぐに使える事例や根拠が思い浮かばないことがあります。その場合は、業務経験だけにこだわらず、公表された資料から技術的な条件と課題を調べて補います。
資料を読むときは「どの条件で成り立つ事例か」をメモします。技術や事業の名称だけでなく、対象、課題、採用した方法、結果や残る制約を分けておくと、設問との適合を確かめやすくなります。
例えば、浮体式洋上風力発電を機械部門の練習題材にするなら、自分の選択科目に関係する装置や保守条件について公開資料を調べ、具体的な設問と接点があるかを確かめます。
公開資料にある施策や課題は、答案の背景を理解する材料です。それだけで出題を予測したり、どの設問にも使える解決策と考えたりはしません。資料の事実と自分の提案を分け、提案には適用条件と残るリスクも書き留めます。
設問に合う根拠と具体例を準備することは、論文対策の大切な作業の一つです。自身の経験に無理に結びつける必要はありませんが、公開資料に基づく例を実体験として書くことも避けます。
最後に|次ステップ「全文作成」と「手書き練習」を併せてブラッシュアップを繰り返す
骨子と解答ネタは、用意した時点で完成ではありません。
練習を進めると、最初に仮選定したテーマでは扱えていない領域が見えてきます。公式過去問と自分の選択科目に照らして表へ追加・入れ替えを行い、初見の設問でも条件を読み直して骨子を組み立てる練習につなげましょう。
それでは、最後の第4段階|全文作成と手書き練習に進んでいきましょう。
注)本連載では、2次試験の中の論文対策のみについて触れています。「試験申込書の作成方法」や「口頭試験対策」、「試験対策講座の比較」についても別記事で解説していますので必要に応じて参考にしてください。
