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平均年収630万円の技術系最高峰資格「技術士」|合格へのロードマップ

この記事はこんな方に向けて書いています
  1. 技術士ってなに?
  2. 技術士試験について知りたい
  3. 技術士になるための方法を知りたい

技術士とは、国家資格であり弁護士、弁理士、医師、公認会計士とあわせて5大国家資格とも呼ばれています。この記事では、まず「技術士になるとなにがいいのか」を説明し、その後「技術士試験に合格するための具体的方法」をご紹介します。

この記事を読むと、技術士試験に合格するまでを具体的にイメージできるようになります。

技術士とは「国が認めた科学技術のスペシャリスト」

まずは、技術士とは何かについて整理しましょう。

技術士の定義

技術士の定義は以下になります。

技術士法第32条第1項の登録を受け、技術士の名称を用いて、 科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、 設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者

技術士会

技術士は、文部科学省が管轄する国家資格です。技術系の資格としては最高峰の資格とみなされています。技術士は、名称独占資格であり、資格取得により技術士を名乗ることを許されます。

5台国家資格

名称独占資格とは、資格を持っている人だけが、その名称を名乗ることができる資格です。(技術士、保育士、作業療法士などが該当します。) 対して、業務独占資格は、資格を持っている人だけが、独占的にその仕事を行うことができます。(医師、看護師、診療放射線技師などが該当します。)

技術士の希少性は技術者全体に対して4%

技術士の人数は技術者全体に対して約4%です。技術者全員が技術士を目指すわけではありませんが、技術士の希少性は非常に高いといえます。

技術士数約10万人技術士会資料より
技術者数約260万人総務省国勢調査より
技術士の割合約4%
技術士の割合

取得難易度は「英検1級以上、医師以下」

技術士の試験合格率は一次試験は35~50%二次試験は5~15%です。難易度は医師免許ほどではないですが難関な資格です。

他の資格との難易度比較表

偏差値難易度資格名称
77超難関公認会計士
75超難関弁理士
75超難関司法試験予備試験
74超難関医師
70難関技術士
69難関英検(実用英語技能検定) 1級
69難関漢検(日本漢字能力検定) 1級
67難関中小企業診断士
資格の取り方

資格取得にかかるコストは「500時間の学習+約10万円」

次に資格取得に必要なコストを見てみましょう。

学習時間

必要な学習時間の目安は「1次試験:100時間」「2次試験:400時間」です。ただし、個人差や勉強方法による差が大きいのであまり気にしないで良いと思います。本記事で合格に必要な知識を学び、自分にあった方法で計画を立てましょう。

費用概算

受験代と学習に必要な教材を合わせた費用の概算は以下のようになります。最低でも約8万円、有料講座を使う場合は10万円以上かかります。

独学の場合有料講座を使う場合
一次試験約20,000円約20,000円(有料講座は必要ない)
二次試験約60,000円約70,000~120,000円
合計約80,000円約90,000~140,000円

内訳はつぎの通りです。

1次試験受験&学習にかかる費用
1次試験受験代11,000円
参考書6,000円基礎・適正用1冊、専門用1冊の2冊
合計約20,000円
一次試験受験学習コスト
2次試験受験&学習にかかる費用 ※独学の場合
1次試験受験代14,000円
参考書5,000円論文書き方の本1冊、試験対策本1冊の2冊
復元論文集5,000円例えば)新技術開発センターの参考論文集1冊
添削24,000円1回3,000円×8回分(最低8回は必要)
口頭試験模試10,000円1回分
合計約60,000円
二次試験受験学習コスト(独学)
2次試験受験&学習にかかる費用 ※通信講座を使用する場合
2次試験受験代14,000円
通信講座50,000円~100,000円
合計約70,000円~120,000円
二次試験受験学習コスト(通信講座)
通信講座についてはこちらの記事で紹介しています。

技術士になると得られる「収入、信頼性、能力」

技術士になると「収入、信頼性、能力」の向上が期待できます

収入「技術士の平均年収は630万円」

技術士の平均年収は630万円です。平均の440万と比較し200万円ほど高いです。

技術士平均630万円
日本人平均440万円
2019年賃金構造基本統計調査より
技術士は副業でも稼げる

技術士資格を活用して副業をすることで収入につなげる方法もあります。以下にいくつかの具体例を挙げます。

  1. 技術士試験の指導の副業(論文添削等で1件数千円~)
  2. ライティングの副業(専門×ライティングで高文字単価が狙える)
  3. コンサルティングや業務受託の副業

参考となる情報をこちらの記事でも書いています。

信頼性

国が認めたスペシャリストである「技術士」には高い信頼性が期待できます。
すでに企業での終身雇用が当たり前じゃなくなりつつある現代において、個人で活躍するには実力と実績の証明が大切になります。技術士は「技術者としての実力と実績を国が認めた」資格ですので実力と実績の証明として十分な効力があります。

知識獲得

技術士になると得られることのひとつに学習の過程で得られる大量の知識があります。具体的には、以下のようなことがグッと解像度高く分かるようになります。

  • 社会課題について知っていますか
    • Industry4.0の本当のところを説明できますか?Society5.0との違いは?
    • 人手不足っていうけど本当ですか?
  • モノづくり白書って読んだことありますか
    • DXって進んでいるの?
    • PLMってなに?必要なの?
  • 今日の仕事は世界をどのようによくしているのか
    • 環境にいい設計ってどうやるの?

技術士は、自身の専門技術で世界をよりよくすることが使命です。技術士の学習では、あなたが持つ技術をより広い範囲で使うための方法・知識を身に着けられます。

ロジカルシンキング

ロジカルシンキング及びロジカルライティングも学習の過程で鍛えられるひとつです。

2次試験では論文の作成が求められますが、論文で最も気を付けなければいけないことは「文章の論理性」です。論理が破綻している論文はすべて不合格となるのが技術士試験です。なので、試験に合格した技術士はロジカルシンキング(ライティング)を獲得できます。

試験合格までの流れ

技術士試験は1次試験申し込みから2次試験口頭試験終了まで1年半の長期戦です。

ここからは試験の学習方法の解説になります。

1次試験の対策

1次試験概要

申込日6月中~末
試験日11月末
合否発表日2月末
試験内容択一方式(マークシート)
受験資格無し
一次試験概要

注)JABEEが認定したプログラムの修了者は、一次試験を免除されます。大学等で修了しているかもしれませんのでこちらのページで確認してください。

1次試験の学習は独学で可能

1次試験に関しては独学で十分合格可能です。

試験内容は3科目すべてマークシート

一次試験は、基礎科目、適性科目、専門科目の3科目にわかれておりすべてマークシート択一方式です。

問題数時間合格基準
基礎科目15問
(30問から15問を選択)
1時間8問以上正解
適正科目15問1時間8問以上正解
専門科目25問
(35問から25問を選択)
2時間13問以上正解

基礎科目の問題内容

基礎科目は下記の5分野から各6問、計30問出題されます。

各分野から3問ずつ選択し計15問回答します。

設計・計画設計理論、システム設計、品質管理について
情報・論理アルゴリズム、情報ネットワークについて
解析力学、電磁気学について
材料・化学・バイオ材料特性、バイオテクノロジーについて
環境・エネルギー・技術環境、エネルギー、技術史について

多くは過去問の類似問題が出題されます。

選択式なので、苦手な問題はスルーしても十分合格ライン(15問中8問合格)を狙えます。

適正科目の問題内容

適正科目は、下記に関する問題が15問出題されます。

技術士の義務信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、名称表示の場合の義務
技術士の責務公益確保の責務、資質向上の責務

専門科目の問題内容

専門科目では、21部門の中から受験申込時に選択した部門についての知識が問われます。問題のレベルは理系学部の各専門課程修了程度です。35問出題され、その中から25問選択し回答します。

合格基準は各科目50%以上

基礎科目、適性科目、専門科目の3科目において、それぞれ50%以上の正解のこと。全体で○○%以上正解などの基準はありません。

学習方法は過去問を何度も解く

一次試験の学習方法は参考書と過去問の繰り返しです。

  1. 参考書は基礎科目・適性科目で1冊、専門で1冊の計2冊を最低2週はしましょう。(おすすめの書籍
  2. 基礎科目と適性科目については過去問.comの利用が効率的です。

合格基準は50%です。理解しながら進めるのが望ましいですが、どうしてもわからない所は暗記に頼りましょう。とにかく何度も解くことが重要です。

2次試験の対策

2次試験には実務経験の受験資格が必要

2次試験には受験資格があります。次のうちのひとつを満たす必要があります。

  •  技術士補として登録後、指導技術士の下での4年以上の実務経験
  •  1次試験合格後、職務上の監督者の下で4年以上の実務経験
  •  7年以上の実務経験(修習技術者となる前の経験も含む)
技術士取得の流れ

2次試験の学習は独学で可能だが・・・

可能ですが、過去問復元論文集の購入や最低限の論文添削費用は必須と考えましょう。

本記事では独学でも合格できるようにポイントを抑えて解説が、学習時間を短縮したいなら有料講座の利用をおすすめします。(有料講座を検討する方はこちらの記事が参考になるかと思います。)

試験内容は筆記試験と口頭試験の2段階

2次試験は筆記試験と口頭試験の2段階になっています。筆記試験に合格後、口頭試験に進むことができます。

筆記試験

筆記試験は、必須科目、選択科目の2科目です。必須科目については定期的に論文試験と択一式試験が入れ替わります。※R1~R6年は論文試験です。通例であればR7年から択一式試験に変更になります。

必須Ⅰ(択一)の問題

~近日公開~

必須Ⅰ(論文)の問題

必須Ⅰ(論文)は2問から1問を選択し解答します。問題のテーマは選択した部門にかかわる課題や社会課題から出されます。

試験時間は120分で、600字原稿用紙3枚分の論文を作成します。

主な設問のパターンは以下の通りです。

設問1多面的な課題を複数抽出する
設問2最重要課題の選択と複数の解決方法の提案
設問3解決策を実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対策
解決策を実行したうえで得られる効果とその波及効果と新たに生じる懸念事項への対応策
設問4技術者としての倫理、社会持続性の観点から必要となる要件、留意点
選択Ⅱの問題

試験時間は210分で、600字原稿用紙6枚分の論文を作成します。

選択Ⅱ-1の問題

選択Ⅱ-1は4問から1問を選択し回答します。選択科目にかかわるキーワードから出題されます。

600字原稿用紙1枚分の論文を作成します。

問題のパターンの例をいくつか下記の挙げます。

  • ○○について異なる原理に基づく手法を2つ挙げ、それぞれの原理と特徴を述べよ。
  • ○○の代表的な方法を2つ挙げ、それぞれ具体的な方法と~の特性に及ぼす影響を述べよ。
  • ○○の概要を述べ、~を防止するための設計上の方策について、具体的な例を挙げて説明せよ。
選択Ⅱ-2の問題

選択Ⅱ-2は2問から1問を選択し回答します。選択科目にかかわるテーマから出題され、開発や調査の責任者としての回答を求められます。

600字原稿用紙2枚分の論文を作成します。

よくある設問のパターンは以下の通りです。

設問1調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
設問2検討を進める業務手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
設問3業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
選択Ⅲの問題

必須Ⅲは2問から1問を選択し回答します。問題のテーマは選択した選択科目にかかわる課題や社会課題から出されます。必須Ⅰとは専門性の深さが異なり、「選択科目」や「専門とする事項」を踏まえた回答が求められます。

600字原稿用紙3枚分の論文を作成します。

主な設問のパターンは以下の通りです。

設問1多面的な課題を複数抽出する
設問2最重要課題の選択と複数の解決方法の提案
設問3解決策を実行したうえで新たに生じうるリスクとそれへの対策
解決策を実行したうえで得られる効果とその波及効果と新たに生じる懸念事項への対応策

口頭試験

試験時間は20分で、状況により最大5分程度の延長があります。

次の2点について質疑応答が求められます。

  1. 技術士としての実務能力
  2. 技術士としての適格性

詳細についてはこちらの記事

合格基準はそれぞれ60%

筆記試験の合格基準は60%

筆記試験は必須選択の2科目でそれぞれ60%以上が合格になります。選択科目は全体の合算で60%以上であれば合格です。

試験科目配点合格基準試験時間論文枚数
必須Ⅰ40点60%以上の得点2時間600字×3枚
選択Ⅱ30点60%以上の得点3時間30分600字×3枚
選択Ⅲ30点600字×3枚

口頭試験の合格基準は60%

口頭試験はコンピテンシーという評価基準についてそれぞれ60%以上で合格になります。

評価コンピテンシー配点合格基準試験時間
コミュニケーション、リーダーシップ30点60%以上の得点約20-25分
評価、マネジメント30点60%以上の得点
技術者倫理20点60%以上の得点
継続研さん20点60%以上の得点

2次試験の申込|申込書の内容が口頭試験の合否に関わる

申込書に記載した内容は口頭試験の質疑応答の主な材料になります。なので、口頭試験での質疑応答を考慮した書き方で作成する必要があります。

口頭試験では、マネジメントやリーダーシップ等のコンピテンシーが評価されます。これらのコンピテンシーが評価されるための申込書を作成します。(コンピテンシーについてはこちらの記事でご確認お願い致します。)

口頭試験ではどんな質問がされるのか

質問例の一部を紹介します。近年はマネジメントにかかわる質問が多いようです。これらの質疑を想定して申込書を作成しましょう。

  • あなたの経歴を業務の詳細とあわせて3分程度で説明して下さい
  • 技術士の受験の動機は何ですか?
  • 技術士を取得した場合、仕事に役立ちますか?
  • 経歴の上から〇つ目に関して、マネジメント面での工夫点を説明して下さい。
  • 経歴の上から〇つ目に関して、どこにポイントをおいてマネジメントを行いましたか?
  • 経歴の上から〇つ目に関して、外部とのマネジメント面を説明して下さい。
  • 技術士の定義を述べて下さい。
  • 現在担当している主業務はどのようなものですか?
  • 信用失墜行為の禁止とは具体的にどういうことか、例を挙げて説明してください。
  • CPDという言葉は知っていますか? 簡単に説明して下さい。
  • 技術士になればCPDは何時間くらいすればよいかわかりますか?

「部門・選択科目・専門とする事項」の選び方

部門の選択方法

技術士になった際の登録部門は2次試験合格時の部門になります。もし、複数の部門にまたがる経歴を持っている方は。今後必要になる部門を選択します。ちなみに、2次試験と1次試験の部門が同じである必要はありませんので、1次試験を機械部門で合格していても2次試験を電気電子部門で受験しても問題ありません。

選択科目の選択方法

部門と同様で複数の科目にまたがっている方は今後必要になる科目。または、過去問を見て解答を作りやすい科目を選択してください。

専門とする事項の選択方法

「専門とする事項」は以下の点について注意が必要です。

  • 範囲の広い表現で書くと口頭試験での質問が想定しづらくなる。
  • 業務内容の詳細では専門とする事項を踏まえた内容にする必要がある。

専門とする事項に「設計」のように広い範囲を示す言葉で書くと、製造物・構造物すべての設計に対する質問が来る可能性があります。「流体機器の設計」や「産業機械」のように自分の得意な範囲を具体的に書くほうが無難です。

しかし、転職等により特定の範囲を専門とする事項にすると必要な経歴年数が足りなくなったり、書きたい業務内容の詳細とのずれが生じたりする場合は「設計工学」や「機械設計」のように範囲の広い言葉にします。口頭試験での質問が想定しずらくはなりますが実務経歴と申込書の内容にズレがないことのほうが重要です。

業務経歴

これまでのあなたの業務の経歴を棚卸しし、その中から4年もしくは7年分の業務を記載します。注意点は、記載できる経歴は自身の部門の技術士の業務のみです。また、成長がアピールできるような順番で書いてください。

技術士の業務とは「科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導」です。(技術士法

業務内容の詳細

業務経歴の中から必つ選択し小論文(720字以内)を作成します。内容は「目的」、「立場と役割」、「技術的内容及び課題」、「技術的成果」の4項目にしたがって書きます。

注意点
・受験申込書に記入した「専門とする事項」を踏まえる
・出来事を作文する場ではありません。4項目にしたがって小論文の形で書く

実務経験証明書の書き方の詳細はこちらの記事で解説しています。

必須(択一式)問題の対策は過去問中心

~近日公開~

キーワード学習から始める

キーワード学習とは、過去問題や関連資料から抽出したキーワードに対して概要・長所短所などをまとめる学習法です。目的は知識の増強と整理です。

キーワードの抽出方法

キーワードの抽出先は、まずは過去問5年分から始めます。その後に各部門に応じた白書からキーワードを抽出します。キーワード学習の例はこちらの記事をご参考ください

主要な関連資料の例

下記のようにキーワード集を共有してくれている方もいます

キーワード学習のポイントはやり過ぎないことです。論文問題を解けるようになることが目的ですので、論文作成中にわからないことが出たらその時にまた調べれば問題ありません。最初に最低どれくらいやればいいかは個人差が大きいのでわかりませんが目安としては過去問(5年分)と最新の関連白書(1誌)です。

論文作成の対策を開始

論文作成の対策は、次の順で進めます。

  1. 過去問の分析
  2. 論文の書き方・テンプレートを理解する
  3. 論文を作成する
  4. 論文を添削する

1.過去問の分析

まずは、過去問(5年分程度)過去問の解答例(最新年)について分析します。解答例は、新技術開発センターの復元論文集(5,000円)等の最新年版を購入してください。また、通信講座「技術士ロックオン」等でも復元論文が提供されています。

過去問(5年分程度)の出題傾向と合格解答のレベルについて把握します。

機械部門の論文例はこちらでも無料公開(PDFダウンロード可)しているので良ければご参考にしてみてください。

2.論文の書き方・テンプレートを理解する & 3.論文を作成する

論文の書き方やテンプレートについては解説が長くなってしまうので科目ごとに詳細記事がありますのでご確認お願いいたします。

また、次のような悩みやすいポイントについてもこちらの記事で解説しているのでチェックしてみてください。

  • 課題について
  • 解決策について
  • 共通するリスク・懸案について
  • 必須Ⅰの要件について
  • 専門性について(必須と選択科目の違い

4.論文を添削する

論文を書き上げることができたら、とにかくまずは添削を受けます。特に初学者の方は次のような間違いに自分ではなかなか気づけません、自分一人で完成度の高い論文を作ることは困難ですので添削を早めに利用することを推奨します。

  • 技術士試験に合格する論文と、学術論文は違う。
    • 論文作成に慣れた方が学術論文を書いて何度も不合格になっています。技術士試験では技術士試験に求められる論文を書く必要があります。
  • 必須科目と選択科目Ⅲの区別ができない。
    • 必須Ⅰと選択Ⅲで同じような論文を書いてしまう。
  • 題意からズレた論文になっている。
    • 技術士試験の論文は本質的問題を解決する必要はありません。題意に沿って自身のコンピテンシーを表現するための論文です。
添削を依頼する方法
有料講座の添削を使う

有料講座の添削は指導のプロが行います。厳しく的確な指摘をもらえるので間違った学習をしないためにも早いタイミングで受けることをおすすめします。

プロによる添削を受けられる講座はこちらの記事で比較紹介しています。

知り合いの技術士やココナラで添削してもらう

先輩技術士等に添削を依頼する場合は次のことに注意します。

  • 自分の専門と近いかどうか
  • 指摘内容に偏りがないか
    • プロじゃないので指摘内容に偏りあることがあります、できれば複数の方に添削をお願いして添削の品質を担保する
  • 文体ばかり指摘する方は避ける
    • 題意との整合性など自己添削では気づきづらい部分を見てくれる方に依頼する
  • 視点の違う複数の意見を取り入れた結果、軸のずれた論文にならないように気を付ける
    • 設問1と2はA技術士の視点、設問3以降はB技術士の視点の意見を取り入れた結果、論文全体の軸がズレてしまうことのないように注意する
自己添削する

最初からは難しいですが、添削の依頼を何度かしたら自己添削をできるようにすることをお勧めします。なぜなら、自己添削ができるということは試験官が何を見ているかを理解することになるからです。自己添削のポイントはこちらの記事で解説していますので参考にしてください。

口頭試験の対策

技術士試験の最後の関門です。まずは評価基準を確認してください。

再現論文の作成は必ずやっておく

口頭試験では筆記試験の論文内容に対する質問がされる可能性があります。口頭試験準備のために筆記試験後は記憶があたらしいうちに再現論文を作成します。

想定質問への解答準備

想定質問に対しては解答を事前に用意します。想定質問や口頭試験の詳細はこちらの記事でまとめていますのでご確認お願い致します。

模試試験はせめて1度は受けた方がいい

口頭試験の合格率は70%以上ですが、もし不合格なら筆記試験からやり直しです。後悔しないようにできるだけの準備をしてください。口頭試験の模試も1回は受けてください

口頭試験の模試は次の方法で依頼できます。

  • ココナラ等で口頭試験の模試のみ対応してくれるサービスを探す
  • 有料講座を利用する(講座を比較紹介する記事はこちら

計画を立てる

やることを整理する

1次試験に関しては参考書と過去問の繰り返しですので省略いたします。(1次試験の対策をまとめた記事で確認する)

2次試験に関しては次の順で進めていきます。

1参考書の用意と一読8論文作成&添削
(手書き×時間制限付)
2白書等の資料閲覧9白書等の資料閲覧(再)
3過去問のまとめ10<試験当日>
4キーワード学習11再現論文の作成
5実務経験証明書の作成12<少し休息>
6論文作成と添削13想定質問への回答作成
7論文骨子のみ作成で訓練14模試試験

参考書の用意と一読

参考書を用意し一読します。試験の難易度や全体像をつかみます。参考書のお勧めはこちらです。

白書等の資料閲覧

自身の部門に関わる白書を読みます。わからない所は読み飛ばしてもいいので技術士として認識すべき範囲の広さを意識しながら読みます。

主要な関連資料の例

過去問のまとめ

過去問題を過去5年分程度まとめます。(機械部門・機械設計の過去問まとめた例がこちらの記事に有りますので参考にしてください)

問題の傾向や重要テーマ、解けそうな問題か苦手な問題かについて注意しながらまとめて一覧化します。

キーワード学習

過去問題の5年分とものづくり白書(製造基盤白書)を参照しキーワードを抽出します。

キーワード学習の例はこちらの記事にあります。良ければご参考にしてください

実務経験証明書の作成

実務経験証明書を作成します。書き方はこちら

論文作成と添削

論文作成の練習を行います。書き上げることができたら添削依頼します。(詳しい方法は上述の内容をご参照ください。)

論文骨子のみ作成で訓練

論文を完成させられるようになったら、骨子のみの練習法に切り替えましょう。全文を書くと時間がかかるため、骨子のみにして出来るだけいろいろなテーマの問題に挑みます。

論文作成&添削(手書き×時間制限付)

最後に、制限時間内に手書きで論文を完成させられるように訓練します。

  • 必須Ⅰの論文の書き方はこちら
  • 選択(Ⅱ-1、Ⅱ‐2、Ⅲ)の論文の書き方はこちら

白書等の資料閲覧(再)

筆記試験の直前は改めて白書等の資料やキーワード集を読み返します。まとまった時間が取れるときは論文作成に使い、隙間時間は資料やキーワード集を閲覧できるように準備・計画します。

キーワード集についてはAnkilotのようなサービスを利用するのも良いですね

筆記試験後の再現論文の作成

口頭試験準備のために筆記試験後は記憶があたらしいうちに回答再現論文を作成します。

口頭試験の想定質問への回答作成

口頭試験の準備は想定質問への回答作成から始めます。

  • 想定質問集などの口頭試験対策の詳細はこちら

口頭試験の模試試験

想定質問への回答が準備ができたら模試を1度は受けます。

  • 口頭試験対策の詳細はこちら
  • 口頭試験のオンライン模試サービスを探すならココナラ
  • 口頭試験のオンライン模試ができる通信講座を探すならこちら

スケジュールに落とし込む

とにかくスケジュールに入れる

簡単な形式でいいのでできるだけ具体的に予定に入れます。

<スケジュールのサンプル>欲しい方はExcelデータを差し上げます。問い合わせからご連絡ください。

計画を修正する

計画は随時更新します。チャレンジングなことをしているのですから計画の修正は必ず発生すると認識し、何度も立て直したり前倒したりして進めます。

有料講座の利用を検討する方へ

少しでも学習時間を減らし効率よく学習を進めたい方には有料講座の利用をお勧めします。有料講座を使えば、参考書を読む代わりに隙間時間に動画学習ができたり、キーワード集を自作する手間が削減できたりします。何よりプロの講師による論文添削が受けられます。

独学と比較すると50,000円以上の費用(詳細はこちら)がかかりますが、勉強に不慣れな方は有料講座をうまく利用したほうが安心して合格ができます。

1次試験の有料講座の紹介はこちらの記事でご確認お願い致します>

2次試験の有料講座の紹介はこちらの記事でご確認お願い致します>