技術士は、技術士法に基づく国家資格です。科学技術に関する専門知識、高等の専門的応用能力、実務経験、技術者倫理を備えた技術者として位置づけられています。
ただし、第二次試験に合格しただけでは、まだ「技術士」を名乗れません。合格後、日本技術士会の技術士登録簿へ登録して、初めて技術士の名称を使用できます。
この記事では、技術士になるまでの経路、2026年度の試験日程と費用、第一次・第二次試験の内容、申込書・筆記・口頭試験の準備順をまとめます。
この記事は、次のような方を対象にしています。
- 技術士になるまでの全体像を知りたい
- 自分が第二次試験の受験資格を満たすか確認したい
- 試験日程、費用、科目、合格基準をまとめて把握したい
- 何から勉強を始めればよいか決めたい
最初に、自分の現在地を確認すると読み進めやすくなります。
1.技術士補となる資格がない
次に確認:第一次試験、または指定された教育課程の対象か
2.技術士補となる資格がある
次に確認:第二次試験の実務経験要件
3.実務経験要件を満たす
次に確認:申込書、筆記試験、口頭試験の期限と準備物
4.第二次試験に合格した
次に確認:技術士登録簿への新規登録
本文の制度・日程・金額は、2026年度の公式情報を基準にしています。受験する年度には、必ず日本技術士会の最新案内を確認してください。
技術士とは
文部科学省は、技術士を、科学技術に関する専門知識と高等の専門的応用能力、豊富な実務経験、高い技術者倫理を備え、国の資格認定を受けた技術者と説明しています。
技術士は名称独占資格です。特定業務を資格保有者だけに限定する業務独占資格とは異なりますが、登録を受けていない人が「技術士」または紛らわしい名称を使用することはできません。制度の位置づけは、文部科学省「技術士について」と日本技術士会「技術士の新規登録手続き」で確認できます。
日本技術士会の2025年度事業報告によると、2026年3月末の技術士登録者実数は104,006人です。一方、「技術者」の範囲は統計によって異なるため、異なる定義・基準時点の人数を割って「技術者の何%」と示すことはしません。
資格取得で期待できること
技術士資格は、専門的学識、応用能力、実務経験、技術者倫理を前提とする国家資格であり、登録部門に関する専門性を示す材料になります。ただし、個別業務の実績すべてを国が保証する制度ではありません。
また、論文対策を通じて、論点を整理し、根拠と結論をつなぐ練習ができます。これも学習で伸ばせる力であり、合格しただけで思考力や文章力が一律に保証されるわけではありません。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査から、技術士資格だけを条件とした全国平均年収を導くことはできません。収入は、部門、職種、役職、雇用形態、地域、経験、勤務先の制度によって変わります。資格取得だけで昇給、高収入、転職成功が保証されるものではありません。
資格や専門経験を生かした活動には、試験指導、専門ライティング、技術コンサルティングなどがあります。実際に受注できるか、どの程度の報酬になるかは、専門分野、実績、契約条件によって大きく異なります。
技術士になるまでの全体像
総合技術監理部門以外では、主に次の順で進みます。
- 第一次試験に合格する、または文部科学大臣が指定した教育課程を修了し、「技術士補となる資格」を得る
- 第二次試験の受験資格となる実務経験を満たす
- 第二次試験の筆記試験に合格する
- 口頭試験に合格する
- 技術士登録簿への新規登録を行う
文部科学大臣が指定した教育課程は、JABEE認定プログラムのすべてを指すわけではありません。自分の課程と修了時期が対象か、指定された教育課程の公式一覧で確認してください。対象者は第一次試験合格者と同等に扱われ、技術士補となる資格を有します。
第一次試験と第二次試験で同じ技術部門を選ぶ必要はありません。第二次試験では、第一次試験で合格した部門にかかわらず、受験資格を満たす技術部門を選べます。
第一次試験から続けて進む場合も、第一次試験の合格発表後に翌年度の第二次試験へ申し込み、筆記・口頭・最終合格を経るため、複数年度にわたります。さらに第二次試験には所定の実務経験が必要で、合格後には登録手続きがあります。必要な期間は、受験経路、実務経験、受験回数によって異なります。
難易度は合格率と試験内容の両方で確認する
日本技術士会の2025年度事業報告による公式公表値では、対受験者合格率は第一次試験が33.8%(合格者5,754人)、第二次試験が11.4%(合格者2,752人)でした。合格率は年度や技術部門によって変わるため、受験年度には最新の試験結果も確認してください。
第一次試験は基礎・適性・専門の三つの択一式科目、第二次試験は所定の実務経験を前提とした筆記・口頭試験です。試験の目的も形式も違うため、合格率だけで準備量を決めず、自分の基礎知識、受験部門、論文経験、確保できる時間を踏まえて計画します。
他資格との「偏差値」や恣意的な難易度順位は、公的な指標ではありません。本記事では使用しません。
技術士になるまでの法定費用
第一次試験と第二次試験を受験し、第二次試験合格後に新規登録する場合、2026年度の法定の手数料等は合計71,600円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第一次試験受験手数料 | 13,000円 |
| 第二次試験受験手数料 | 20,500円 |
| 技術士の登録免許税 | 30,000円 |
| 技術士の新規登録手数料 | 8,100円 |
| 合計 | 71,600円 |
受験手数料と登録手数料は日本技術士会の改定案内、登録時の費用は新規登録手続きで確認できます。
払込手数料、交通・宿泊、教材、論文添削、模擬面接、通信講座などは別途です。教材や支援サービスは任意で、料金・提供内容は商品や年度によって変わります。指定された教育課程の修了者など、第一次試験を受けない経路では総額も変わります。
必要な学習時間について、公的な標準値はありません。まず過去問を一度解き、理解度と答案作成にかかる時間を測ってから、自分の計画へ落とし込みます。
2026年度の第一次試験
日程と受験資格
| 項目 | 2026年度 |
|---|---|
| 申込書配布 | 6月5日~6月24日 |
| 郵送受付 | 6月10日~6月24日 |
| WEB受付 | 6月10日9:00~6月23日17:00 |
| 試験日 | 11月22日 |
| 合格発表 | 2027年2月下旬 |
| 受験資格 | 年齢・学歴・業務経歴等による制限なし |
| 受験手数料 | 13,000円(非課税) |
日程と最新の申込方法は、2026年度技術士第一次試験 実施案内で確認してください。
2026年度の受験申込受付は、郵送・WEBとも終了しています。2027年度に受験する方は、日程公表後に公式案内を確認してください。
第一次試験では、総合技術監理部門を除く20技術部門から1部門を選びます。総合技術監理部門の第一次試験は、当分の間実施されません。
科目、問題数、合格基準
第一次試験は、基礎科目・適性科目・専門科目の三つで、すべて五肢択一式です。
| 科目 | 解答数 | 解答時間 | 合格基準 |
|---|---|---|---|
| 基礎科目 | 30問から、5分野ごとに3問ずつ計15問を選択 | 1時間 | 50%以上 |
| 適性科目 | 15問 | 1時間 | 50%以上 |
| 専門科目 | 35問から25問を選択 | 2時間 | 50%以上 |
基礎科目は、設計・計画、情報・論理、解析、材料・化学・バイオ、環境・エネルギー・技術の5分野です。適性科目では、信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、公益確保や資質向上の責務など、技術士法上の義務と責務が問われます。専門科目では、選んだ技術部門の基礎知識と専門知識が問われます。
第一次試験の勉強方法
独学も選択肢です。基礎知識や専門科目の得意不得意に応じて、参考書や講座の要否を判断してください。
まず日本技術士会が公開する第一次試験の過去問題を使い、出題形式、頻出分野、必要な計算量を確認します。「過去問と似た問題が必ず出る」とは限りません。正誤だけでなく、誤答した理由と、選ばなかった選択肢の根拠を確認すると復習しやすくなります。
参考書を何周すべきかは一律に決められません。少なくとも一度は問題を解き、誤答した分野を繰り返し復習します。
第一次試験の概要、書籍、講座をまとめて確認したい場合は、技術士一次試験の対策まとめをご覧ください。参考書だけを探す場合は、技術士試験で最低限必要な参考書と役立つ書籍に分けて整理しています。
2026年度の第二次試験
日程
| 項目 | 2026年度 |
|---|---|
| 申込書配布 | 3月24日~4月15日 |
| 郵送受付 | 4月1日~4月15日 |
| WEB受付 | 4月1日9:00~4月14日17:00 |
| 総合技術監理部門の必須科目 | 7月19日 |
| 総合技術監理部門以外の技術部門・総監の選択科目 | 7月20日 |
| 筆記試験合格発表 | 11月上旬 |
| 口頭試験 | 12月上旬~2027年1月中旬の指定日 |
| 最終合格発表 | 2027年3月中旬 |
| 受験手数料 | 20,500円(1技術部門、非課税) |
詳細は2026年度技術士第二次試験 実施案内で確認してください。
2026年度の受験申込受付と筆記試験は終了しています。口頭試験以降の日程は、受験者への案内と公式情報を確認してください。
第二次試験は、総合技術監理部門を含む21技術部門で実施されます。
第二次試験の受験資格
第二次試験は、まず「技術士補となる資格」を有し、申込時点で所定の実務経験を満たす必要があります。総合技術監理部門以外では、主に次の3経路です。
- 技術士補に登録し、技術士補として技術士を補助した期間が通算4年を超える
- 技術士補となる資格を得た後、所定の監督者の下で対象業務に従事した期間が通算4年を超える
- 科学技術に関する専門的応用能力を必要とする対象業務に従事した期間が通算7年を超える
理科系統の修士課程・専門職学位課程を修了した人、または理科系統の博士課程に在学中・在学歴のある人は、条件を満たす在学期間を2年を限度として所定の実務経験年数から差し引ける場合があります。総合技術監理部門は原則として上記にさらに3年が必要です。すでに第二次試験に合格している人には別の扱いがあるため、総合技術監理部門を受験する場合は最新の受験案内を確認してください。
「4年以上」「7年以上」と丸めず、公式案内どおり「4年を超える」「7年を超える」で判定します。経路によって必要な証明書類も異なります。判断に迷う場合は、自己判断だけで申込みを進めず、日本技術士会の試験・登録部へ確認してください。
筆記試験の形式
総合技術監理部門を除く20部門では、必須科目Ⅰ、選択科目Ⅱ・Ⅲのすべてが記述式です。総合技術監理部門の必須科目は、択一式と記述式で行われます。
| 科目 | 内容 | 配点 | 解答時間・用紙 |
|---|---|---|---|
| 必須科目Ⅰ | 技術部門全般の専門知識、応用能力、問題解決能力、課題遂行能力 | 40点 | 2時間、600字詰め3枚 |
| 選択科目Ⅱ | 選択科目の専門知識・応用能力 | 30点 | Ⅱ-1が1枚、Ⅱ-2が2枚 |
| 選択科目Ⅲ | 選択科目の問題解決能力・課題遂行能力 | 30点 | 600字詰め3枚 |
2026年度は、必須科目Ⅰが2問から1問、選択科目Ⅱ-1が4問から1問、Ⅱ-2が2問から1問、選択科目Ⅲが2問から1問を選んで解答します。Ⅱ-1では主に専門知識、Ⅱ-2では業務の進め方、留意点、関係者との調整を含む応用能力が問われます。問題構成は受験年度の受験申込み案内で確認してください。
選択科目ⅡとⅢの解答時間は、合わせて3時間30分(210分)です。210分・6枚は選択科目Ⅱだけの条件ではありません。選択科目Ⅱは合計3枚、選択科目Ⅲは3枚です。
筆記試験の合格基準は、必須科目Ⅰが60%以上、選択科目Ⅱ・Ⅲの合計が60%以上です。問題数、解答数、評価基準は受験年度の第二次試験実施大綱と合否決定基準で確認してください。
必須科目Ⅰと選択科目Ⅲでは、課題の抽出、解決策、その実行に伴うリスクや効果、倫理・持続可能性への配慮などを問われます。設問の順番や表現は年度によって変わり得るため、固定テンプレートへ単語を当てはめるのではなく、題意に沿って論理を組み立てます。
試験答案だけで現実の問題を完全に解決することが目的ではありませんが、問題・課題を把握し、解決策、実行時のリスク、評価、倫理・持続可能性への配慮を具体的に示す必要があります。「コンピテンシーを書けば本質的な問題解決は不要」という意味ではありません。
科目ごとの問題構成と答案の型を確認する場合は、必須科目Ⅰの骨子と答案構成と選択科目Ⅱ・Ⅲの骨子と答案構成へ進んでください。両科目に共通する課題・解決策・リスク・要件の考え方は、論文の重要ポイントに分けています。完成答案の具体例を確認したい場合は、機械部門を中心とした技術士論文例を参照できます。
申込書と720字の業務内容
口頭試験は、筆記試験の記述式答案と業務経歴を踏まえて行われます。申込書だけで合否が決まるわけではありませんが、提出後は業務経歴や業務内容の詳細を加筆・訂正できません。口頭試験まで見据えて、事実と整合する内容を提出前に確認します。
業務経歴は、受験する技術部門・選択科目を中心に、受験資格の対象となる科学技術業務を指定様式に従って年代順に整理します。「自分の部門の技術士が行う業務だけ」に狭めたり、成長を見せるために経歴の順序を入れ替えたりしません。
業務内容の詳細は、業務経歴の「詳細」欄に印を付けたものから1つを選び、「目的」「立場と役割」「技術的内容及び課題」「技術的成果」などを、専門とする事項を踏まえて720字以内で整理します。図表は使えません。公式様式の項目に沿って情報を過不足なく入れ、独自の四つの見出しを必須条件とは考えないようにします。
2026年度のWEB申請案内でも、受験申込書と実務経験証明書は所定様式のA4判縦向きPDFを作成し、WEB申請窓口から提出します。720字欄はその所定様式内にあります。
書類の項目、経歴の選び方、720字の整理手順は、受験申込書・実務経験証明書の書き方で詳しく確認できます。
部門・選択科目・専門とする事項の選び方
第二次試験で合格し、登録する技術部門を選びます。複数部門にまたがる経歴がある場合は、実際の業務経歴、今後示したい専門性、受験案内の科目表を照合します。第一次試験と同じ部門である必要はありません。
選択科目は、過去問の題意を理解できるかだけでなく、自分の業務経歴と専門知識を使って根拠ある答案を書けるかで判断します。
「専門とする事項」は、業務経歴や720字の内容と矛盾しない表現にします。必要以上に広くすると口頭試験の準備範囲が曖昧になり、狭くしすぎると経歴と整合しない場合があります。見栄えよりも、実際の専門業務を正確に説明できることを優先してください。
第二次筆記試験を進める12ステップ
ここからは、総合技術監理部門を除く第二次試験の筆記対策を、12ステップに分けて整理します。この12ステップは筆者が整理した学習手順であり、公式の指定カリキュラムではありません。申込書と口頭試験は別の期限・準備物として並行管理してください。
12ステップは、4段階で進みます。まず問題と資料を分析し、代表的な答案を作った後、骨子で扱う問題を増やし、最後に本番形式で仕上げます。
第1段階|ステップ1〜4
分析と練習テーマの選定
第2段階|ステップ5〜8
科目ごとの答案作成と見直し
第3段階|ステップ9〜10
骨子練習と解答材料の整理
第4段階|ステップ11〜12
本番形式の練習
第1段階:分析と練習テーマの選定
| ステップ | やること | 残す成果物 |
|---|---|---|
| 1 | 全体計画を立てる | 受験日から逆算した作業一覧と週ごとの予定 |
| 2 | 過去問題を分析する | 科目ごとの設問要求、字数、頻出分野の一覧 |
| 3 | 白書・公式資料を分析する | 自分の部門に関係する課題、根拠、更新日を整理したメモ |
| 4 | 練習する問題を選ぶ | 優先して答案を作る問題リスト |
ステップ4の「問題予想」は、限られた学習時間で練習テーマに優先順位を付ける作業です。本試験の出題を当てる、または的中を保証するものではありません。
白書はすべて読むのではなく、自分の技術部門と選択科目に関係する最新版を選びます。横断的な資料としては、科学技術・イノベーション白書やIPA「DX動向2026」があります。用語集を完成させることを目的にせず、問題を解く、不足する知識を調べる、答案で使って確かめる、という往復を続けます。具体的な整理例はキーワード学習を論文作成力につなげる方法にまとめています。
第2段階:科目ごとの答案作成と見直し
| ステップ | やること | 残す成果物 |
|---|---|---|
| 5 | 選択科目Ⅱの答案を作る | 専門知識と業務手順を題意に沿って示した答案 |
| 6 | 選択科目Ⅲの答案を作る | 課題、解決策、リスク・評価をつないだ答案 |
| 7 | 必須科目Ⅰの答案を作る | 部門全体の視点で課題と解決策を示した答案 |
| 8 | 答案を添削・推敲する | 題意、論理、専門性、読みやすさを見直した改訂版 |
最初から本番時間内に仕上げる必要はありません。まず問いに答える構成を作り、根拠を確認し、読み手が判断の筋道を追えるように直します。
添削は、自分では気づきにくい題意のずれや論理の飛躍を確認する方法の一つです。自己添削、知人の技術士からの助言、有料添削などから選べます。第三者へ依頼する場合も、専門分野、確認してほしい観点、指摘の根拠を確認し、複数の意見を混ぜて答案全体の軸が崩れないようにします。必要性と回数は、経験、予算、相談相手の有無によって判断してください。
第3段階:骨子練習と解答材料の整理
| ステップ | やること | 残す成果物 |
|---|---|---|
| 9 | 複数問題で骨子を作る | 問題文から課題・解決策・評価へ展開する骨子 |
| 10 | 解答に使う知識と根拠を整理する | 出典と適用条件を確認できる解答材料集 |
全文を書くと時間がかかるため、基本の答案を一度作った後は、骨子で扱う問題数を増やします。ただし、骨子だけでは文章量や時間配分を確認できません。定期的に全文へ戻り、伝わらない箇所を修正してください。
第4段階:本番形式の練習
| ステップ | やること | 残す成果物 |
|---|---|---|
| 11 | 全文を本番形式で作成する | 問題を読む時間と見直し時間を含めた完成答案 |
| 12 | 手書きと時間配分を確認する | 科目ごとの時間配分、書く速さ、直前に直す弱点 |
最後は、問題を読む、骨子を作る、手書きする、見直す、という一連の作業を制限時間内で行います。書く速さだけでなく、どの段階で時間を使いすぎたかを記録し、次の練習へ反映します。
口頭試験の形式と準備
口頭試験の試問時間は20分です。受験者の能力を十分確認するため、10分程度延長される場合があります。
評価は、次の2区分・4項目です。
| 区分 | 評価項目 | 配点 | 合格基準 |
|---|---|---|---|
| 技術士としての実務能力 | マネジメント・評価 | 30点 | 60%以上 |
| 技術士としての実務能力 | コミュニケーション・リーダーシップ | 30点 | 60%以上 |
| 技術士としての取組姿勢 | 技術者倫理 | 20点 | 60%以上 |
| 技術士としての取組姿勢 | 継続研さん | 20点 | 60%以上 |
日本技術士会の公式FAQのとおり、2026年度から改訂版コンピテンシーが適用されています。ただし、改訂によって筆記問題の種類や口頭試問事項は変更されていません。定義と試験での見られ方は、技術士に求められるコンピテンシーの解説で確認できます。
想定質問には、業務経歴の説明、受験動機、業務上の判断・調整、技術者倫理、継続研さんなどがあります。これは受験経験をもとにした準備例であり、実際の質問や出題頻度を保証するものではありません。
筆記試験後は、記憶が新しいうちに答案を再現し、申込書・答案・想定回答の不整合を確認します。この橋渡し作業は、筆記後に行う再現答案と口頭準備ノートで順番を確認できます。
回答を声に出す練習を行い、必要に応じて第三者の模擬面接でフィードバックを受けます。模擬面接は有効な選択肢の一つですが、有料サービスの利用や所定回数の受講が必須ではありません。
当日の流れ、準備項目、想定質問の作り方は、第二次試験・口頭試験の概要と対策へ進んでください。筆記を通過しても4評価項目をそれぞれ満たす必要があり、不合格の場合は次年度以降に筆記試験から受験します。
計画は時間数ではなく成果物で管理する
学習時間に公式の標準値はありません。「第一次試験は何時間、第二次試験は何時間」と固定せず、初回の過去問や答案作成にかかった時間を基準にします。
第二次筆記試験を約6カ月で進める場合の一例は、次のとおりです。期間は目安であり、開始時点の知識と確保できる時間に合わせて調整してください。
| 段階 | 残したい成果物 |
|---|---|
| 1カ月目:全体把握・分析 | 自分の部門の過去問を読み、優先して練習する問題を選ぶ |
| 2カ月目:答案作成・見直し | 代表的な問題で答案を作り、問いに答えていない箇所を直す |
| 3~4カ月目:骨子・知識の補強 | 別の問題で骨子を作り、不足する知識と根拠を補う |
| 5カ月目~直前:本番形式 | 問題読解、構成、手書き、見直しの時間を測り、弱点を直す |
申込期限、実務経験証明書、勤務先の証明などは、筆記の学習計画と分けて管理します。仕事や家庭の予定で遅れたときは、闇雲に学習時間を増やすのではなく、受験日までに必要な成果物と優先順位を見直します。
独学・添削・通信講座の決め方
第二次試験は独学でも受験できます。日本技術士会の第二次試験過去問題は無料で公開されています。復元論文集、第三者添削、通信講座、模擬面接はいずれも任意です。
選ぶ順番は、次のようにすると整理しやすくなります。
- 公式過去問を読み、自分で進められる範囲を確認する
- 題意の読み取り、答案へのフィードバック、質問対応、口頭練習など、足りない支援を特定する
- 必要な支援だけを、予算と利用できる期間に合わせて選ぶ
講座によって、動画、教材、質問対応、論文添削、口頭試験対策の有無と回数が異なります。講座は学習管理やフィードバックに役立つ場合がありますが、合格を保証するものではありません。必要な支援を決めた後に、通信講座の料金・添削回数・質問対応を比較すると選びやすくなります。
まとめ:自分の現在地から始める
技術士になるには、試験に合格するだけでなく、所定の実務経験と、合格後の登録が必要です。まず自分の現在地を確認してください。
- 第一次試験から受ける人:次の受験年度の申込期限、三科目の過去問、選ぶ技術部門を確認する
- 指定された教育課程の修了者:対象課程と対応部門を公式一覧で確認する
- 第二次試験を目指す人:受験資格となる実務経験、申込書、720字の業務内容を先に確認する
- 筆記対策を始める人:第二次筆記試験12ステップの入口から、自分に必要な段階を選ぶ
- 申込書を作る人:実務経験証明書と720字の書き方で様式と整合を確認する
- 口頭試験へ進む人:口頭試験の流れと準備項目で申込書・答案・想定回答をつなぐ
独学で不足する支援が明確になった人は、最後に通信講座の料金・添削・口頭対策の対応範囲を比較すると、不要なサービスを避けやすくなります。
日程、手数料、様式は変更される可能性があります。申込みの直前には、必ず日本技術士会の当該年度の案内へ戻って確認してください。
