技術士二次試験の勉強法に迷ったら、自分の部門の過去問を1問試し、止まった工程と使った時間を確かめることから始めましょう。その結果を基に、次の1週間に残す骨子・答案・書き直しと、取り組む分量を決めましょう。最初から最後まで書けなくても、何が不足しているかを記録すれば、次の練習を選ぶ材料になります。
本記事は、過去問分析から手書き練習までを12ステップに分けた無料連載の入口です。約6カ月の計画例を示しますが、必要な期間は経験・基礎知識・確保できる時間によって異なります。
機械部門(選択科目:機械設計)の実例を中心に説明します。総合技術監理部門を除く技術部門の筆記対策を想定しており、自分の部門の出題内容に合わせて調整してください。
一次試験の勉強法を探している方は、技術士一次試験の概要と独学勉強法へ進んでください。
全体の順序を知りたい方は12ステップの全体像、自分の予定に落とし込みたい方は週ごとの計画の決め方へ進んでください。すでに答案を作れていて手書きの進め方を知りたい方は、全文作成と手書き練習を直接確認できます。
まず全体像をつかむ|12ステップの使い方

上の図は、筆者が整理した学習の全体像です。公式の指定カリキュラムではありません。すでにできている段階は短く確認し、詰まっている段階に時間を使ってください。
大きく「分析と予想」「論文作成」「骨子練習と解答ネタ作り」「手書き練習」の4段階です。まず各段階の目的を読み、自分が今どこにいるかを決めましょう。問題予想は練習テーマを選ぶためのもので、出題を保証するものではありません。
第1段階|分析と問題予想
第1段階では次の2つを目指します。
- 問題文で何を問われ、どの範囲・量で答える必要があるかを理解する。
- 優先度・重要度の高いテーマを選定し、対策すべき問題を設定する。
これによって論文対策のゴールをはっきりさせます。3つのステップで順に解説していきます。
第2段階|論文作成
第2段階では、問題文の要求を満たす答案を1つ作り、見直して改善します。最初から本番の時間内に書こうとせず、問いに答える構成と、その根拠となる知識を確認しましょう。
科目ごとに記事を分けて解説していきます。
- 5「論文作成(選択Ⅱ)」
- 6「論文作成(選択Ⅲ)」
- 7「論文作成(必須Ⅰ)」
- 8「添削・推敲」:上記5〜7の記事に加え、自分で見直す観点と添削の活用方法を確認します。必要に応じて第三者の意見も取り入れましょう。
第3段階|骨子練習と解答ネタ
第3段階では、選んだ練習問題について骨子を作り、使える知識と根拠を整理します。予想と違う問いでも条件を読み取り、解答を組み立てる練習をしましょう。
骨子を作って不足が分かったら知識を補い、全文で書いて伝わらなければ構成を直します。一度通して終わりにせず、作成・確認・修正を繰り返す時間を計画に入れましょう。
- 9&10「骨子練習と解答ネタ整理」
第4段階|手書き練習
第4段階では、骨子を基に全文を書き、問題を読む・構成を考える・手書きする・見直す時間を分けて確かめます。書き切れないときは、知識が出てこないのか、構成に迷うのか、筆記に時間がかかるのかを記録し、次の練習対象を決めましょう。具体的な練習は、次の記事で段階別に説明します。
- 11&12「全文作成と手書き練習」
6カ月の計画例|自分の時間に合わせて調整する
下表は約6カ月で進める場合の成果物の目安です。月数を一律に当てはめず、すでにできることと、これから確かめることを分けて使ってください。計画図の月名・申込日・試験日は、受験年度の公式日程を示すものではありません。実際の受付・試験日は対象年度の受験案内で確認します。
| 段階の目安 | その期間に残したい成果物 |
|---|---|
| 1カ月目:全体把握・分析 | 自分の部門の過去問を読み、優先して練習する問題を選ぶ。 |
| 2カ月目:答案を作成・見直し | 代表的な問題で答案を作り、問いに答えていない箇所を修正する。 |
| 3〜4カ月目:骨子・知識の補強 | 別の問題で骨子を作り、不足する知識を調べる。申込みの準備は学習と別に管理する。 |
| 5カ月目〜直前:本番形式で練習 | 問題を読む・構成を考える・手書きする・見直す時間を測り、弱点を修正する。 |

上図は、約6カ月で進める場合の筆者のモデルです。開始月が違う場合も、月名より「その段階で何ができるようになるか」を目安にしてください。

上の詳細図も計画の一例です。初回は1問にどれくらい時間がかかるかを測り、仕事・家庭の予定を踏まえて無理のない分量に置き換えましょう。
週ごとの計画は、使える時間と1問の練習結果から決めます。次の順序で、無理なく取り組める分量に置き換えましょう。
- 仕事・家庭の予定を先に入れ、平日と休日に実際に使える学習時間を確認する。
- 自分の部門の過去問を1問試し、取り組んだ範囲・かかった時間・止まった理由を記録する。
- その結果を基に、「週末に骨子を1問、平日に根拠の確認と書き直し」のように、次の1週間に残す成果物を決める。
- 週末に成果物と残った弱点を確認し、翌週の分量を調整する。できなかった分をそのまま積み上げず、次に直したい点を選び直す。
毎日600字を書くなどの固定ノルマは必須ではありません。試験まで6カ月未満の場合も、各工程を同じ割合で縮めるのではなく、1問を試して不足を確かめるところから始めます。知識の確認だけで終わらず、答案作成・手書き・見直しも試し、残り時間に合わせて優先順位を見直してください。
最初の1問の進め方を具体的に確認したい方は、noteの無料記事「公式過去問で15分骨子を作る実演」も参考にしてください。
この12ステップは、無料記事のまま最後まで読み進められます。学習計画を手元に置き、印刷・書き込みしながら進めたい方には、表紙・目次・骨子テンプレート・機械部門(選択科目:機械設計)の実例を収録した全56ページのPDF版も用意しています。無料連載と核となる内容は共通で、提供形式はPDFのみです。PDF版の内容とサンプルを見る
申込みの締切・必要書類は学習計画と分けて管理します。日程は日本技術士会の受験案内、書類の整理は受験申込書と実務経験証明書の書き方で確認してください。
計画を立てたら、練習で作った骨子や答案を次の観点で見直します。学習時間や作成数だけでなく、問いに対する判断と根拠を説明できるようになったかを確認しましょう。
学習中に確認したいコンピテンシー
技術士に求められる資質能力は、専門的学識、問題解決、マネジメント、評価、コミュニケーション、リーダーシップ、技術者倫理、継続研さんです。用語を答案に並べるのではなく、質問に対する判断・根拠・実行方法として説明できるかを確認します。
定義の確認はコンピテンシーの解説記事と日本技術士会の公式FAQへ。下表は自分の答案を見直すための例で、公式採点表や設問番号との対応表ではありません。
| 確認したい点 | 答案・練習で点検すること |
|---|---|
| 専門知識・問題解決 | 条件に合った知識を使い、課題と解決策を根拠でつないでいるか。 |
| 実行・調整 | 人員・設備・時間などの制約や、関係者との調整を具体化できるか。 |
| 評価・説明 | 効果、限界、残るリスクを説明し、読み手が判断の筋道を追えるか。 |
| 倫理・学習 | 安全や公益などへの配慮を考え、足りない知識の確認・更新を続けているか。 |
令和8年度からの改訂コンピテンシーについて
2023年1月に改訂されたコンピテンシーは、2026年度の試験から適用されています。ただし日本技術士会は、現行の試験で改訂内容に対応できているとして、改訂による試験内容の変更はないと説明しています。特定の時事テーマが必ず出ると結び付けず、公式の案内と自分の部門の問題を確認しましょう。出典:公式FAQ Q4・Q5。
キーワードは答案を書く中で調べ、使って確かめる
キーワード学習を省くという意味ではありません。用語集を完成させてから答案に進むのではなく、問題を解く → 不足する知識を調べる → 自分の答案で使うという往復を、この12ステップに組み込みます。
調べた言葉を説明するだけで終わってしまう方は、キーワード学習を論文作成力につなげる方法の記入例を使って、使える条件や注意点までまとめてみてください。総合技術監理部門は学習範囲が異なるため、対象年度の公式資料を別途確認します。
今の状態に合わせて、次の記事へ
- まだ過去問を読めていない:過去問題分析
- 知識はあるが文章の順番が決まらない:骨子練習と解答ネタ整理
- 答案を書いたが直し方が分からない:答案の添削・推敲
- 本番の時間内に書く練習をしたい:全文作成と手書き練習
今の課題から無料記事を選びたい方は、noteの論文対策ロードマップも参考にしてください。骨子の実演や答案設計の具体例を、困りごと別に探せます。
独学で進められる範囲を確かめたい方は、独学で合格を目指せる条件と、必要な支援の判断基準を確認してください。支援が必要な箇所が残る場合は、通信講座の比較で添削・質問対応・受講範囲を確認します。学習計画と予算に合う支援だけを選びましょう。
注)本連載では、2次試験の中の論文対策のみについて触れています。「試験申込書の作成方法」や「口頭試験対策」、「試験対策講座の比較」についても別記事で解説していますのでよろしければご参考にしてください。
